団体Vのため複雑な体操の代表選考、選ぶ側のミスは許されない
2018年07月11日 09:30
体操
内村航平(リンガーハット)も白井健三(日体大)も、五輪や世界選手権の目標を問われた時、個人的なことを最初に口にすることはない。まず「団体で金を獲りたい」と言う。“チーム・ファースト”は、体操ニッポンのコンセンサス。毎年、多少の変更はあるとはいえ、代表選考基準は団体での戴冠を最大目標に作成される。そして、世界的にもハイレベルの選手が揃う日本男子の選考はいつも複雑になる。
世界選手権とアジア大会が開催される今年の代表選考は、より複雑だった。ともに枠は5。世界選手権は個人総合で2人、アジア大会は個人総合で3人決めた後、種目別などの成績を加味して団体総合で最も得点が取れる選手を選ぶ。代表選考にあたり、得点の自動算出プログラムを用意していたものの、アジア大会の選考基準では対象外だった試合の成績も含めて計算するというミスがあったため、加藤と長谷川が入れ替わることになった。
日本協会は検討チームの立ち上げや、ミスを出さないための対策案を作成するとしている。東京五輪が開催される20年は他の国際大会の選考がないため今回のような混乱はないと見るが、油断は禁物だ。団体総合の出場選手がこれまでの5人から4人になるとはいえ、選考基準が単純なものになると思えない。現行に近いシステムならば、慎重かつ入念なチェックでしかミスは防げない。
“チームファースト”で選考方法が複雑になるのは仕方ないが、東京五輪に向けて声高に叫ばれているのは“アスリートファースト”だ。選考会終了後、急いで代表発表をしなくてもいい。正答を導く時間の後に、日の丸を背負うメンバーを。第2の加藤も、第2の長谷川も生んではいけない。絶対に。選ぶ側は“ノーミスファースト”でなければ。(杉本 亮輔)
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