ジョセフJ 最強NZから最多5T、初のリードも W杯へ光明

2018年11月04日 05:30

ラグビー

ジョセフJ 最強NZから最多5T、初のリードも W杯へ光明
<日本・ニュージーランド>後半12分、トライを決めるヘンリー(撮影・吉田 剛) Photo By スポニチ
 【ラグビー リポビタンDチャレンジカップ2018 ( 2018年11月3日    東京・味の素スタジアム )】 日本は世界ランキング1位のニュージーランドに31―69で敗れた。前半には史上初めてリードを奪い、4万3751人のファンで膨れ上がったスタンドを沸かせる場面も。計5トライも過去最多だった一方、10トライを奪われ世界最強軍団との力量差も痛感。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、48)も収穫と課題の両方を挙げた。日本代表は7日に渡英し、17日に同4位のイングランドと対戦する。
 これまでのような惨敗ではなかった。前半の逆転トライから11分間はリードもした。奪ったトライは過去5戦の計4つを1試合で更新。ジョセフHCは「いい兆しだし、成長の証」と前向きに言い、リーチ主将は「世界の厳しさが分かった。練習では厳しくやっているつもりだが、今まで以上に厳しくしないと」と気持ちを引き締めた。

 チームの教義ともいえる「アタッキングマインド」は発揮できた。前半4分のファーストトライは、相手FBのキックにロックのアニセが猛然とチャージし、こぼれ球を押さえたもの。同33分には相手陣内の守備で粘り強くハイプレッシャーをかけ続け、パスが乱れたところをNo・8ツイが確保。波状攻撃を繰り返してツイのトライにつなげた。前に出る防御で攻守の切り替わりから一気にトライに持っていく。指揮官も「構えずに仕掛けていけた点は良かった」と選手の姿勢を称えた。

 試合前に行われたオールブラックスの伝統の舞「ハカ」に対しては、自陣10メートルライン上でリーチを先頭に三角形を作り、前へとにじり出た。11年W杯ではセンターラインを越えたフランスに「敬意を欠く」として罰金が科された例があるが、高ぶりを抑えきれなかった主将は一線を越えた。プロップ稲垣は「(フランスの例は)知っていた。だからリーチさんを抑えたんですが」と振り返る。世界最強にも一歩も引かない。過去のジャパンにはなかった、精神面の成長を証明した。

 攻めながらも一つのミスから一気にトライまで持っていかれ、ブレークダウン(密集でのボール争奪)では相手のグレーゾーンの技術で9度もターンオーバーを許した。「課題と反省点が出て、より良い準備ができる」とリーチ。明確になった世界最強との距離を、一歩一歩詰めていく。

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