卓球代表けん引する佳純、20年“金”へ勝負の19年 ニッポンの食で力得て「安定した」18年を総括

2018年12月28日 05:30

卓球

卓球代表けん引する佳純、20年“金”へ勝負の19年 ニッポンの食で力得て「安定した」18年を総括
今季最終戦を終えた石川佳純 Photo By スポニチ
 卓球女子の石川佳純(25=全農)が、18年の戦いを総括した。1月の全日本選手権ではシングルスで5度目の日本一を逃す悔しい船出だったが、3月のワールドツアー、ドイツ・オープンで優勝。銀メダルを獲得した世界選手権団体戦(4〜5月)では、初めて主将の大役を担ってチームをまとめた。グランドファイナルも女子唯一の8強入り。来年1月の全日本、東京五輪出場権争いへ、今年の経験を糧に更にレベルアップする。
 韓国・仁川で開催されたワールドツアー・グランドファイナルで、石川が18年の国際大会を終えた。フルゲームの死闘の末に準々決勝で敗れた後、悔しさを押し殺しながら今年を総括した。「満足は全然できない」とする一方で、「安定した成績を出せた面では合格点かな。もう一歩、前に行ければ」と確かな手応えも口にした。

 山あり谷ありの1年だった。18年初戦となった1月の全日本選手権では、シングルス準決勝で伊藤美誠に敗れて5度目の日本一に届かず。第1ゲームを先取しながら圧倒されたが、「誰と対戦しても勝てるか分からないのは自分にもいいこと。まだまだレベルアップはできる」とハイレベルな国内の争いを歓迎していた。

 3月はワールドツアーで最も格が高い「プラチナ」のドイツ・オープンを制した。そして、世界選手権団体戦では伊藤ら国内のライバルと共闘。石川は初めて主将の大役を担った。積極的に年下の仲間とコミュニケーションを取り、チームをまとめあげた。決勝で中国に完敗を喫したが、「チームワークはすごく良かった。みんな高い意識を持ってやっていた」とうなずいた。

 8月にチェコ・オープンを制すと、今月はワールドツアー成績上位選手だけが出場できるグランドファイナルの舞台に立った。11月のオーストリア・オープンで0―4と完敗を喫した何卓佳(中国)と準々決勝で対戦し、最終第7ゲームを8―4とリードしながら痛恨の逆転負け。「リベンジできると思ったけど、残念」。勝ちが見えていたからこそ、悔しさが募った。

 19年は勝負の年になる。1月の全日本選手権では日本一奪回を目指し、20年1月の世界ランクで決まる東京五輪の出場枠争いも本格化。「自分自身、レベルアップしている。しっかり技術を上げていけば、結果はついてくる。悪かったところを反省して19年を迎えられるようにしたい」。黄金の輝きを求め、日本のエースは進化を続けていく。

 ≪12年に所属契約結んだ全農 代表選手へ食材提供も≫全農は2012年から卓球日本代表のオフィシャルスポンサーで、同年7月に石川と所属契約を結んだ。

 「ニッポン人の活躍を”ニッポンの食”で支える。」をスローガンに、子供たちが未来へ羽ばたくフィールドから世界の頂点である大舞台まで、アスリートたちの夢の実現に向けてサポートしている。世界選手権などで代表選手へ国産の食材を提供したり、今年5月にスウェーデンで開催された世界選手権団体戦で2大会連続銀メダルを獲得した功績をたたえ、石川に直営の焼き肉レストラン「ぴゅあ」のフリーパスポートを贈呈。石川も「家族やコーチと何度も利用させていただいています。まだ他の代表選手とは行けていませんが、焼き肉を食べると元気が出るのでありがたいです」と感謝する。さらに「海外遠征では全農のお店に行くこともあります。ロンドンのTOKIMEITE、香港の純にもお邪魔しました」と明かした。

 今夏には石川が初監修した「石川佳純(かすみん)カレー」も発売。7月の全農杯全日本選手権ホープス・カブ・バンビの部の会場でも大好評だった。全農は今後も「ニッポンの食」を通じて応援していく。

 ≪「健康な体をつくるにはバランスのとれた食事を」≫▼神出元一代表理事理事長 私たち全農は、「ニッポン人の活躍を『ニッポンの食』で支える。」をスローガンに、平成24年度から卓球日本代表のオフィシャルスポンサーとして、日本代表選手の皆さんが海外でもいつも通りの力を発揮できるよう、「食」を通じて応援しています。「食」と「スポーツ」には深い関係があります。結果を出すよりも前に、健康な体でなければ、スポーツに取り組むことはできません。健康な体をつくるためには、栄養バランスのとれた食事をきちんととることが大切です。これはプロ選手も、未来を担う子供たちにも通じることです。私たち全農は、卓球の他にも野球教室やサッカー大会を通じて、子どもたちの夢を応援するとともに、「食」の大切さとそれを支える「農」について知っていただきたいと考えています。これからも、全農は「ニッポンの食」を通じて、海外で活躍するプロスポーツ選手から、次世代を担う子どもたちまで、広く支えてまいります。

 ≪強さの秘訣は「海外遠征時もごはんをしっかり食べているから」≫▼全農・管理栄養士 ごはんが大好きという石川選手。海外遠征時も炊飯器を持参し、日本と変わらずごはんをしっかり食べていることが強さの秘訣の一つなのかもしれません。ごはんは体と脳のエネルギー源となる糖質が豊富に含まれています。食事は、主食・主菜・副菜をそろえてバランスよく食べることが大切です。ごはんは様々なおかずとあわせやすいため、ごはんを主食にすると栄養バランスをとりやすくなります。糖質が多く脂質の少ないごはんは、持久力を高める「グリコーゲンローディング」の食事法にも適しています。また、運動前後の補食にはおむすびがおすすめです。運動前はシンプルな塩むすび、運動後はたんぱく質の具材をあわせると疲労回復にも役立ちます。

 ◆グリコーゲンローディング(カーボローディング) 試合1週間前から運動量を減らしてグリコーゲンの消費を抑え、試合3日前から糖質が多い食事にしてエネルギー源となるグリコーゲンを体内に蓄える方法。マラソンなど持久力が必要な競技に用いられる。

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