「闘将」星野氏逝く…偉大な功績残し衣笠氏、輪島氏らも 18年スポーツ界物故者追悼
2018年12月28日 09:00
スポーツ
3月に行われたお別れの会にはプロ野球界や芸能界などから約1500人が参列、一般献花では1650人が花を手向けた。楽天は背番号77を永久欠番とした。だが、星野氏がかつて率いた3球団は今季成績が低迷。手向けの優勝を届けることができなかった。
4月23日には、「鉄人」と呼ばれた元広島の衣笠祥雄氏が上行結腸(じょうこうけっちょう)がんのために死去。71歳だった。現役生活は23年間。70年10月から87年の現役引退まで、前人未到の2215試合連続出場。71年には右手首を亀裂骨折。76年に左手親指を捻挫、79年には肩甲骨を亀裂骨折するも試合に出場。自然と「鉄人」の称号で呼ばれるようになった。しかし、14年夏頃から、闘病を続けてきたがんには勝てなかった。
衣笠氏は亡くなる4日前の19日、横浜スタジアムでDeNA―巨人戦を中継したBS―TBSの解説を務めたが、これが最後の公の場となった。親族に付き添われて球場を訪れたが頬がこけるなど痩せた姿が目立ち、放送では声が出せずにかすれていたが、最後まで「鉄人」魂を見せつけてくれた。
10月15日には1960年代に日本のプロ野球で投手として活躍、日本球界では外国人投手初の通算100勝を挙げたジョー・スタンカ氏が、米国テキサス州の自宅で死去したことが分かった。87歳だった。スタンカ氏は大リーグで1年プレーした後、1960年に南海(現ソフトバンク)に入団。1メートル96と長身から繰り出される球で打者を圧倒し、64年には26勝を挙げてシーズンMVP、さらに阪神との日本シリーズでも3完封勝利の活躍でチームを日本一に導くとともに、自身もシリーズMVPを獲得。「赤鬼」の異名を取った。
サッカー界では11月23日、Jリーグの事務局で創設期に尽力したJ1清水の副社長兼ゼネラルマネジャー(GM)の久米一正氏が大腸がんのため死去した。63歳。11月15日にはJリーグ・V川崎(現東京V)でGKとして活躍し、末期の胃がんで闘病していた藤川孝幸氏が死去。56歳。昨年12月にがんが判明し4月公表。5月に読売クラブOBによる激励イベントが行われ「奇跡を起こして恩返ししたい」と話していたが、かなわなかった。
10月8日には大相撲の第54代横綱・輪島の輪島大士(本名輪島博=わじま・ひろし)さんが8日午後8時、下咽頭がんと肺がんの影響による衰弱のため、都内の自宅で死去した。70歳だった。輪島さんは73年夏場所後に学生相撲出身で初めて横綱に昇進。史上7位の14回の優勝を飾り、第55代横綱・北の湖とともに「輪湖時代」を築いた。しかし、81年春場所の引退後は波瀾(はらん)万丈だった。すぐに花籠親方となって、義父で師匠だった元幕内・大ノ海から部屋を継承したが、年寄名跡を実妹の経営する料理店の借金の担保に入れたことが発覚し、引退から5年足らずの85年12月に廃業に追い込まれた。その後は全日本プロレスに入門するも2年余りで引退。その後はタレント活動、アメリカンフットボールで社会人チームの監督を務めるなどした。
9月18日には、総合格闘家の山本“KID”徳郁さん(本名岡部徳郁=おかべ・のりふみ、旧姓山本)が胃がんのため死去。まだ41歳だった。山本さんは8月にがんで闘病中であることを公表。それからわずか3週間あまりでの訃報となった。5歳から父にレスリングの英才教育を受け、山梨学院大時代には学生王者にもなった。00年に総合格闘家へ転身、K―1などで活躍した。
ほかにも6月18日には皇帝戦士のニックネームで活躍したプロレスラーのビッグバン・ベイダー氏(本名レオン・ホワイト)が63歳で死去。7月14日には87年にアントニオ猪木氏と巌流島で2時間5分14秒にも及ぶ死闘を演じたことで知られる元プロレスラーのマサ斎藤(本名・斎藤昌典)さんが75歳で死去。また、1980年代に日本のプロレス界で活躍したダイナマイト・キッド(本名トーマス・ビリントン)氏が60歳の誕生日となった12月5日に死去した。
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