和歌山工 先制も悔し一歩届かず逆転負け…胸張れ
2018年12月28日 10:08
ラグビー
相手PGが決まると同時にノーサイドを告げる無情のホイッスルがグラウンドに響いた。インゴール付近で立ち尽くす和歌山工フィフティーンは、すぐに敗戦を受け入れることができない様子だった。
「自分らのミスで首を絞めてしまいました。(攻撃で)甘いところが出て、勝てなかったです」
試合後のあいさつを終えて戻ってきた定兼蒼真主将はとめどなくあふれる涙を抑えることができなかった。
先制したのは和歌山工だった。前半3分、ゴール前の相手キックをSH白樫がチャージ、インゴールを転がるボールをSO佐東が右中間で押さえ、ゴールも成功した。
「入りは良かったのですが。その後は受けに回ってしまった」
岡本尚也監督が振り返ったように、前半は有利な風上に立ちながら追加点を奪えず、逆に9分、30分とトライを許し逆転された。
それでも後半、相手をゴール前にくぎ付けにする場面を作った。8分過ぎから14分過ぎまでゴール前5メートル付近で攻め続けたが、PKからのモールもスクラムからのサイド攻撃でもトライを奪うことができなかった。
昨年9月、浜口博行前監督が43歳の若さで死去。花園では郡山北工に敗れ、白星を捧げることができなかっただけに「今年こそ」の気持ちは選手の誰もが持っていたが、あと一歩及ばなかった。
定兼主将は「(No・8の)檜尾、(フランカーの)森本聖と3人で浜口先生にはお世話になったので、1勝を贈りたかった」と嗚咽(おえつ)しながら声を振り絞っていた。
「選手たちは今シーズンやってきたことにこだわりを持ってプレーしたと思います」
岡本監督はFWでトライを奪いに行った姿勢には納得している様子だった。「2年生が多いチームですから、今年できなかったことを来年はできるようにしたい」。この悔しさを次につなげることを誓い、今季の和歌山工フィフティーンの花園は幕を閉じた。(田中 貴久)
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