【金哲彦氏 箱根駅伝展望】青学大、圧倒的有利 王者追うのは東洋大&東海大
2019年01月02日 05:30
駅伝
王者を追うのは東洋大と東海大になるだろう。東洋大はエース山本修二(4年)、相沢晃(3年)が補欠に回っているが、どちらかが2区に入るだろう。前回大会はルーキーながら1区区間賞を獲得した西山和弥(2年)が今年もスタートで好走し、山本と相沢につなげば前回同様、往路で一気に抜ける可能性すらある。
東海大は“黄金世代”の関颯人、館沢亨次(ともに3年)を補欠に回した。実力ある2選手を往路に投入して往路Vを狙っているだろう。今の駅伝は先行逃げ切りが有利。各校は往路重視の傾向にあり、序盤の競り合いが見どころとなりそうだ。
今大会は気象条件との戦いも予想される。強烈な寒波が列島を覆っており、大会当日も例年以上に冷える可能性がある。寒すぎると体が動かずにスピードレースにはならない。午前8時にスタートする大手町の1区や芦ノ湖の6区を走る選手は低体温症にも気をつけなければいけない。気象条件が厳しいほど、実力上位と下位の差が広がり、繰り上げスタートが例年より増えるタフな大会になるかもしれない。
し烈な優勝争いや手に汗握るシード権争いは箱根駅伝の魅力の一つだが、20年東京五輪を控えた今だからこそ、この舞台から世界に羽ばたく選手を発掘することもだいご味だろう。次にマラソンに挑戦するのは誰か。第2の大迫傑(ナイキ)や設楽悠太(ホンダ)を探すのも楽しいと思う。(駅伝マラソン解説者)
◆金 哲彦(きん・てつひこ)1964年(昭39)2月1日生まれ、福岡県北九州市出身の54歳。早大では4年連続で5区を走り、山上りのスペシャリストとして知られた。卒業後はリクルートに入社し、87年別府大分毎日マラソンで3位に入った。現在は駅伝やマラソンの解説者として活躍中。
【箱根各区間の展望】
☆1区 東京・大手町から鶴見中継所までの21・3キロ。レースの流れをつくる非常に重要な区間で、各校のスピード自慢が起用される。
☆2区 エースが名を連ねる「花の2区」。鶴見中継所から戸塚中継所まで23・1キロ。最長区間で13キロ付近の権太坂以降のアップダウンの繰り返しがスタミナを奪う。
☆3区 戸塚中継所から平塚中継所までの21・4キロ。平たんコースだが、海風の影響は大。有力選手を置くチームも多い重要区間。
☆4区 平塚中継所から小田原中継所までの20・9キロ。勝負の5区を見据え、決して気は抜けない準エース区間。
☆5区 小田原中継所から箱根・芦ノ湖までの20・8キロ。標高差約800メートルを駆け上がる特殊区間の一つ。上りに特化した選手が担当することが多い。
☆6区 箱根・芦ノ湖から小田原中継所までの20・8キロ。「山下り」区間。ペース配分、スタミナ、体温調節など総合力が試される。
☆7区 小田原中継所から平塚中継所までの21・3キロ。箱根山から吹き下ろす冷気に対し、時間経過とともに気温が上がる。
☆8区 平塚中継所から戸塚中継所までの21・4キロ。優勝争いやシード争いが過熱してくる区間。前半の海風対策、遊行寺の坂がポイントとなる。
☆9区 戸塚中継所から鶴見中継所までの23・1キロ。2区と同じくエース級が集結。平たんなレイアウトだが距離が長く、ペース配分が必須。
☆10区 鶴見中継所から東京・大手町までの23・0キロ。平たんなコースながらビル風や観客からのプレッシャーなど、走者への影響は絶大。
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