世界選手権女子8強 キレキャラに変身した平野美宇に覚醒の雰囲気漂う
2019年04月27日 12:00
卓球
「今までは、うまくいかないと、“あぁ”って落ち込んでいましたけど、キレ気味にして、自分にカツを入れた方がいいと思って」
3月のTリーグファイナル。試合中に“キレキャラ”を演じてみると、勢いが出たという。今大会は、2回戦のペソツカ(ウクライナ)戦でよくキレた。4―2で勝利。後に「心臓がなくなるような試合」と振り返った一戦だった。
25日の準々決勝も、怒っていた。台をオーバーした後、横に手を広げて自分に腹を立てた。世界ランキング1位の丁寧(中国)に1―4で敗戦。3大会連続で同じ相手に苦杯を喫したのだが、取り組みの成果も出ていた。
2ゲーム目。平野の短いレシーブを、世界一のサウスポーが何度もミス。浮いたボールを、強打して得点する場面が目立った。
日本人3番目の世界ランキング9位は、早い打点で次々と強打を叩き込む高速卓球が武器。それに加え、「緩急が大事」とテーマを口にしていた。唯一奪ったゲームに、「緩」が見て取れた。
平野と言えば、過去に気持ちが変わって成功したケースがある。17年の全日本選手権は、他選手への挑発とも受け取られかねない強気発言を繰り返した。そして、優勝。勝ち気な言動が顕著だったそのシーズンは、アジア選手権で中国3選手を破ってV。世界選手権は日本女子48年ぶりのメダル(銅)を手にした。
「ハリケーン」の異名が世界にとどろいたのが17年。それを彷彿とさせる今回の“キレキャラ宣言”。ちなみに、普段は「あまり怒らないです。裏表がある性格なので、心の中でキレているぐらいです」と自己分析するおとなしい性格だそうだ。
東京五輪のシングルス代表は、20年1月の世界ランキング日本人上位2人で決まる。運命の1日に向けて、怒って、キレて、勝ち進む。
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