【関西大学ラグビー開幕企画(2)】無名スーパー1年生 京産大FB船曳は元日本代表監督がほれ込む逸材
2020年11月04日 05:30
ラグビー
「素晴らしい選手がいると聞いてはいましたが、走る姿を見てこれは本物だなと。ジャパンを目指せる、そういう器の選手です」
無名の兵庫工から京産大に進学した伊藤監督にとって、船曳は若かりし頃の自分と重なる。「地元も同じですし、無名校の出身。そういうつながりもありますね」。船曳は全国的には無名に近い存在だが、神戸市立科学技術高2年時にU―17日本代表候補合宿に参加。交流試合初戦だった10月17日の立命大戦は1年生で唯一、先発メンバーに名を連ねた。
期待に胸を膨らませたキャンパスライフ。淡い思いは、新型コロナウイルスの感染拡大によってかき消された。部活動再開は8月4日。船曳は「同じ1年生でもまだしゃべったことがない子も多くて」と困惑の表情を浮かべる。オンラインでのトレーニングが続いた春先は、画面越しに映る仲間の顔と名前を覚えるのに必死だった。10月から対面授業も始まり「ようやく大学生っぽいことができています」と笑った。
伝統のスクラムに加え、球を素早く動かすスタイルも今季テーマの一つ。指揮官が掲げる『アクセルラグビー』の中心に魅惑の1年生がいる。
《関大SH溝渕元気は戦術の核を担うタフネス1年生》
SHはFWのこともバックスのことも頭に入っていなくてはならない。仲間を知ることが仕事のようなポジションで、チーム内の親睦を深めにくいコロナ禍は、1年生にとって大きなハンディのはずだが、関大の溝渕元気はメンバー入りをつかんだ。
「ランは負けていない」との自負に偽りなく、タフネスを武器によく動く。さばきも速く、仕掛けてもスピードがある。桑原久佳監督は「他の選手からパスが取りやすいと聞く。褒めたくないけど、褒めたくなる」と金の卵だと認める。
大産大付高では大阪府の決勝が最高成績。不慣れなオンライン授業で大学生活が始まると、同期の仲間と「体力を落とさないように」、日々走った。7月の活動再開後は居残りで、また走った。9月の練習試合でアピールに成功。ボールを動かしてスペースを生み出す戦術の核を担う。
Bリーグからの昇格シーズンだが、ルーキーに気後れはない。「全国大学選手権に4年続けて出たい」。3位以内なら、高校から夢見る全国への扉が開く。
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