瀬古利彦氏、聖火リレー参加 闘病中の息子へ「病気を吹き飛ばそうという思いで走った」

2021年04月07日 11:39

五輪

瀬古利彦氏、聖火リレー参加 闘病中の息子へ「病気を吹き飛ばそうという思いで走った」
手を振りながらトーチを掲げて走る瀬古氏 Photo By スポニチ
 東京五輪の聖火リレーは7日、三重県の第1日が行われ、四日市市のスタートで元マラソン五輪代表の瀬古利彦氏(64=日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダー)が第1走者を務めた。
 瀬古氏は桑名市出身だが、高校時代の3年間は四日市工に通った。この日、聖火のトーチを受け取った場所には同校の正門があったそうで「縁があると思った」とコメント。「第1ランナーを務められて本当に光栄。思ったよりもたくさんファンが来て“瀬古さ~ん”と声をかけていただいてうれしかった。地元に帰ってきた気がした」と振り返った。聖火ランナーは1998年長野冬季五輪でも務めており、「気持ちは一緒」と言いながらも「夏の五輪代表だったので、今回は冬よりも自然と力が入った」と補足。「間近で聖火を見る最後の機会と思う。目に焼きつけて帰りたいと思った」と明かした。

 聖火ランナーを務める上で2人への思いがあった。1人は1964年東京五輪の開会式で聖火最終ランナーを務め、2014年に亡くなった早大の先輩・坂井義則さん(享年69)。「坂井先輩には仕事でもプライベートでもお世話になった。亡くなる直前にお見舞いに行って“一緒に開会式で聖火を見ましょう”と声をかけた。先輩の思いも込めて走らせてもらった」と、しみじみと話した。また、悪性リンパ腫の一種であるホジキンリンパ腫を発症し、闘病生活を送っている長男・昴さんが「病床で走りを見てくれていたと思う。息子のためにも、病気を吹き飛ばそうという思いで走った」とも語った。

 東京五輪開幕まで100日余り。日本陸連のマラソン強化責任者としての思いも口にした。「1年延期になり選手も待ち疲れしている状態だったが、聖火を見てもう1回スイッチが入ると思う。あと4カ月、メダルを目指して練習してくれると思う」と期待。四日市市出身の男子代表・中村匠吾(富士通)には「彼は暑さに強い。きっと札幌の地でメダルを取ってくれると信じている」とエールを送った。

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