卓球・水谷 現役引退「やり残したことない」「最高の形でやめどきが来た」 張本の説得は「2分くらい」
2021年08月10日 14:22
卓球
この日、いつから引退を考えていたのかと聞かれた水谷は「引退はずっと考えていたかもしれないですね」と明かした。「目の負傷があったのが18年の1月だったんですけど、そのあといろんな治療法だったりとか、レーシックの手術したりとかいろんな挑戦をしたんですけど、結果として目がなかなか良くならない、逆に悪化していく中で、毎日、自分はもうこれ以上競技は続けられないなという思いだったんです。ただオリンピックがすぐ目の前にある。そこでメダルを獲るチャンスがあるということが唯一の自分のモチベーションになってここまで来れたんじゃないかなと思います」と振り返った。
大会中はこの大会が最後という思いを持ってプレーしていたのとの質問にも「もうかなり前から、19年くらいからは、オリンピックに選ばれなければそこで終わりですし、選ばれたとしたら、これが最後かな、集大成かなと思ってずっとプレーしていました」と話した。
また、男子団体で共に戦った張本智和(18=木下グループ)が「一日かけて自分なりに説得と言うか、してみたんですけど、やっぱり水谷さんの意志は固いですし、その意見を尊重したいと思います」と語っていたことから、どんな言葉をかけられたのかと問われ、「今、一日かけて説得した、みたいな話があったんですけど、正確には2分くらいです。試合終わった後に『本当に引退しちゃうんですか』って。一緒にカップラーメン食べてたんですけど、カップラーメン食べてる時間の方が長かったです」と笑わせた。
混合ダブルスの伊藤美誠(20=スターツ)とのペアも解散となることについては、「今回、伊藤選手と組んでミックスダブルス組んで金メダル獲れましたけど、僕は彼女にシングルスで金メダルを獲って欲しいんですね。なので今回獲れなかったシングルスと(女子)団体での金メダルを目指して頑張って欲しいです」と思いを語り、エールを送った。
水谷は改めて自身の引退について、「僕は自分の人生卓球しかやってこなくて、ドイツに留学したり、ロシアに行ったり、中国に行ったり。本当にいろんな経験をしてきて、もうやり残したことはないなというのは思っていますね。そしていつ自分がやめるかとなった時に、ここまで最高の形でやめどきが来たというのはこれも運命かなと思いますし、今しかないなという感じではいます」と語った。
今後は卓球から完全に離れる意向を示している。だが12年ロンドン五輪卓球女子団体銀メダリストの平野早矢香さん(36)から「男子選手はこれから育っていくチームだと思うので、水谷選手の経験が必要になる時が来ると思う。そういった時はたまには戻って後輩の指導とか携わってもらいたいなと個人的に思っています」と振られると、「ハイ。言われたら行くかもしれないですね。頼まれたら断れないタイプなので」と笑顔で話した。
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