17歳・村瀬心椛 スロープスタイル2位通過 真央超え冬季五輪女子最年少メダルに挑戦

2022年02月06日 05:30

スノーボード

17歳・村瀬心椛 スロープスタイル2位通過 真央超え冬季五輪女子最年少メダルに挑戦
予選で華麗なジャンプを見せる村瀬心椛(AP) Photo By AP
 【北京冬季五輪第2日・スノーボードスロープスタイル ( 2022年2月5日    雲頂スキー公園 )】 チームジャパンの今大会最年少、17歳の村瀬心椛(ここも、ムラサキスポーツ)が女子予選の2回目に81・45点をマークし、2位で決勝進出を決めた。五輪初出場ながら2本ともノーミスで、スケールの大きさを披露。17歳91日で迎える6日の決勝では、10年バンクーバーのフィギュアスケート、浅田真央の19歳を大幅に更新する冬季五輪日本女子最年少メダルに挑戦する。
 滑り終えると“どうだ!”と言わんばかりに、腕を組んで得点を待った。1メートル53、42キロのきゃしゃな体に迫力などあるはずがない。だが、それもまた、村瀬の魅力。ギャップ萌えを感じさせる17歳は「初めての五輪ということで、楽しもうという気持ちで滑った。2本とも自分のやりたい技ができて、本当に良かった」と振り返った。

 言葉通り、存分に楽しんだ2回のランだった。今回のコースの目玉となっている第2セクションの建造物を模したジブ(障害物)では、横から屋根に跳び乗るトリックで1、2回目ともに8・35点(10点満点)の高得点をマーク。他の選手はほとんど手を付けなかったジブを滑ったことで、独自性が高い評価を受けたが、「点数はあまり気にしていなくて、決勝に上がることだけを意識していた」と淡々と振り返った。

 五輪は「世界(の大会)に行く小4くらいから凄く意識した」という憧れの舞台。昨夏には一足先に、以前から交流のあったスケートボードの西矢椛(もみじ)や西村碧莉が東京五輪に出場し、「格好いいなと思った。自分も頑張らなきゃ」と刺激を受けた。特に西村とは頻繁にLINEでやりとりする仲。シーズン中には電話を通じて「いつも通りの滑りをしたらと言われた。たくさんのことを教えてもらった」と助言を受け、この日の滑りにつなげた。

 最終セクションのジャンプ台では1回目は2回転、2回目は2回転半を回って得点を伸ばしたが、回転数は最高で1260(3回転半)まで可能だ。余裕を残す滑りで「明日(決勝)はもうちょっと風は弱いと思うので、自分の滑りを出しきって、表彰台を狙いたい」。金メダルなら日本のスノーボード界初。さまざまな記録が懸かるが、17歳に気負いはない。

 ▽スロープスタイル コース上に設置されたジブアイテムと呼ばれる障害物やジャンプ台を使い、滑りの出来栄え、難易度、大きさ、多様性、独自性を争う採点競技。タイムは争わない。今大会のコースは前半3つのジブセクションと、後半3つのジャンプセクションで構成され、全長600メートル、高低差198メートル。予選は2回、決勝は3回の試技が行われ、いずれもベストラン方式(最も高い得点で争う)で順位を決める。五輪では14年ソチ大会から採用され、今回が3大会目。これまで日本のメダルはない。

 ◇村瀬 心椛(むらせ・ここも)2004年(平16)11月7日生まれ、岐阜市出身の17歳。4歳でスノーボードを始め、ジュニア時代から国際大会で活躍。18年5月にノルウェーで開催されたXゲームに13歳で初出場初優勝。昨年10月のW杯ビッグエア開幕戦でW杯初勝利を挙げ、今季通算2勝。得意技はバックサイドダブルコーク1260。ムラサキスポーツ所属で、岐阜第一高2年。1メートル53、42キロ。

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