沙羅4位 2回目最長100メートル大ジャンプも2大会連続メダル逃し涙「もう私の出る幕ではないかも」

2022年02月06日 05:30

ジャンプ

沙羅4位 2回目最長100メートル大ジャンプも2大会連続メダル逃し涙「もう私の出る幕ではないかも」
女子個人ノーマルヒルで4位に終わった高梨 Photo By 共同
 【北京冬季五輪第2日・ジャンプ女子個人ノーマルヒル ( 2022年2月5日    国家ジャンプセンター )】 女子ノーマルヒル(ヒルサイズ=HS106メートル)が行われ、高梨沙羅(25=クラレ)は合計224.1点で4位に終わり、2大会連続のメダル獲得はならなかった。2回目は最長となる100メートルを飛んだが、1回目の98.5メートルで5位と出遅れたことが響き、涙を流した。伊藤有希(27=土屋ホーム)は13位、勢藤優花(24=北海道ハイテクAC)は14位、岩渕香里(28=北野建設)は18位だった。
 悔し涙があふれた。1回目は踏み切りのタイミングが遅れ、5位と出遅れた。続く2回目は各選手が苦しむ中で100メートルまで飛距離を伸ばしたが、メダルには届かなかった。「この4年間は良い時も悪い時もあったが、私は頑張って当たり前。頑張っても結果を残せなかったら意味がない。私の頑張りが足りなかった」と声を詰まらせ、「結果を受け入れている。もう私の出る幕ではないかもしれないな、という気持ちもあります」と限界も口にした。

 成長を誓った4年だった。銅メダルを獲得した18年平昌を終え、「全部をぶつけたけど、これでは世界のトップで戦えない」と痛感。ゼロからジャンプをつくり上げることを決断した。スタート動作の無駄を省き、助走速度を上げ、足裏全体でパワーを伝えて踏み切る。昨秋には空中部分にも着手。だが、「結果で恩返しをできなかったのが、悔やまれる」と肩を落とした。

 過去2大会分の思いを込めた。大本命の金メダル候補で臨んだ14年ソチ五輪は4位。「勢いだけで心はかなり不安定。技術的にも上手ではなかった」と振り返る。18年平昌五輪についても当時と現在を比較しながら「絶対に(メダルを)獲らないと、絶対に(理想のジャンプを)つくり上げないといけないと自分を無理に追い込んでしまった。今は楽しんで挑戦できる」と心境の変化を明かした。コロナ禍で閉塞的な空気の中、20年11月の国内大会ではスキー板のテール部分に絵を描くなど、気持ちも切り替えてきた。

 W杯で男女を通じて歴代最多の61勝。五輪で個人の金メダルは遠かったが、7日には新種目の混合団体が控える。「今日の反省点を生かしたい」。最後は涙を拭って前を向いた。

 【高梨 過去の五輪】

 ▽14年ソチ大会 17歳にしてシーズンW杯13戦10勝、同ランキング1位の金メダル候補として出場。1回目100・0メートルで3位につけたものの、2回目98・5メートルと距離を伸ばせず。合計243・0点の4位でメダルを逃し「思い通りに飛べなかったのは自分のメンタルの弱さ」。

 ▽18年平昌大会 W杯10戦勝利なしのランキング3位で出場。1、2回目とも103・5メートル、合計243・8点で日本女子ジャンプ初の表彰台となる銅メダルを獲得した。「人生の糧となる貴重な経験をさせてもらった」

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