ロコ創設者・本橋麻里さん 頂点への提言、組織力向上を 26年ミラノから招致目指す30年札幌へ大志抱け

2022年02月22日 05:30

カーリング

ロコ創設者・本橋麻里さん 頂点への提言、組織力向上を 26年ミラノから招致目指す30年札幌へ大志抱け
帰国したカーリング女子の藤沢(手前)ら(21日午後8時50分) Photo By 代表撮影
 北京五輪のカーリング女子で日本史上最高の銀メダルを獲得したロコ・ソラーレの創設者で、今は一般社団法人となったチームの代表理事を務める本橋麻里さん(35)が21日、オンラインで取材に応じた。メンバーをねぎらう一方、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪、札幌が招致を目指す30年大会も見据え、日本カーリング協会も含めた組織力の向上をテーマに掲げた。
 日本から北京へ声援を送り続けた本橋さんの目には、夢のアイスでの確かな成長が映った。ロコは1次リーグ最終戦で敗れたスイスとの再戦となった準決勝を制し、大差となった英国との20日の決勝でも、チーム全員が支え合って奮闘。「考えるカーリングをしようと取り組んできたけど、考える力の成熟度が増していると感じた」と振り返った。

 快挙からまだ時間はたっていないが、本橋さんは既に未来を見据えている。「喜ぶのが半分と、次に向けて何をするか考えるのが半分」。スキップ藤沢は決勝後に、「自分に今、声を掛けるとしたら“絶対にいつか、この舞台にまた戻ってこい”と言う」と話した。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪も意識する中、本橋さんは危機感も持つ。

 北京は過去に例がないほど各国の実力が拮抗(きっこう)し、群雄割拠のアイスだった。「ほんとに世界が強くなっている。どこが勝ってもおかしくない」と本橋さん。だからこそ、日本協会も含めた、さらなるバックアップ体制が重要と説く。「組織力を上げるべきと凄く感じた。日本協会でもそうですし、私たちの一般社団法人もそうですし。(選手の)負荷の分担をしないといけない」と話した。

 30年五輪は札幌が招致を目指している。「法人としても、そこに選手を出せるように」と本橋さん。8年後は藤沢、吉田知、鈴木は38歳、吉田夕は36歳となる。カーリングは選手生命が長く、北京にもカナダのジェニファー・ジョーンズが47歳、スイスのシルバナ・ティリンツォーニが42歳で出場。年齢的にも目指せる可能性は十分にある。

 藤沢らメンバーはこの日、帰国。成田空港の到着ロビーではファンの「おめでとう」の声に、マスクの下に笑みを浮かべて手を振り「ありがとうございます」と応えた。自主隔離を経て、拠点の北海道北見市に戻る予定だ。春にはカナダ遠征の可能性があり、凱旋試合は5月の日本選手権(アドヴィックス常呂カーリングホール)となる見込み。つかの間の休息の後、ロコはまた走り始める。

 《お祝いムードの地元・北見市》ロコの地元・北海道北見市では一夜明けた21日、市役所などに記念の垂れ幕やポスターが掲げられ、お祝いムードに包まれた。北見駅前の商業施設「パラボ」では、銀メダルおめでとうと記されたポスターを職員の加納貢さんが掲示。「大舞台でも笑顔を絶やさず堂々プレーする姿に奮い立った。地元も活気づいてほしい」と話した。

 《凱旋パレードお預け?》新型コロナウイルスの影響で、ロコの凱旋パレードなどはお預けになりそうだ。銅メダルを獲得した18年平昌五輪(当時のチーム名はLS北見)では約1カ月後の18年3月21日に、北海道北見市で祝賀パレードを実施し、沿道には約1万2000人が集結。ただ、現在は新型コロナ下で「まん延防止等重点措置」も3月6日まで延長され、先が見通せない状況。北見市の担当者は「祝賀イベントについては未定。時期や手法を検討しているところ」と話した。

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