同大ラグビー部 7年ぶりの王座奪回へ始動 宮本啓希新監督「関西で頂点、その先に日本一」
2022年02月22日 05:30
ラグビー
「対帝京大戦に関して京産大との違いは、マインドセットだなと思いました。“絶対に勝つ”、“この準備をしてきたから俺たちは勝てる”と思えていたか、思えていなかったか。京産大はフィジカルの準備を1週間かけてやってきて、あの舞台で出し切った。相当、自信があったと思います。その自信を同志社は持っていたのか、持っていなかったのか。選手たちに聞くと“なかったです”という声がほとんどでした。大前提として“気持ちで負けていたんだよ”と理解したうえでスタートしないと、ラグビーもうまくならないし、勝てないよという話をしました」
始動日を前に、今月3日からオンライン上で面談を開始した。多い日で1日9人。15時から19時半まで対話に費やしたという。スタッフ、選手計121人。面談が終了したのは19日のことだ。根気のいる作業だが「ようやく全員の名前を覚えることができました」と笑った。面談シートには(1)なぜ同志社に入学したのか(2)自分の強みは何か?(3)対帝京大戦における同志社と京産大の違いは?の3つを記した。まずは一人ひとりと誠実に向き合うことから始めた。
宮本新監督がマインドセットと同じように大切にしているのが部の歴史だ。ミーティングでは部の創部年、優勝回数、連覇の回数、直近の優勝年などについて問いかけたという。部の礎を築いてきた先輩方を知る必要性も感じていた。「それらは基本的な事です。同志社には岡仁詩先生であり、平尾誠二さんであり、歴史をつくってきた方がおられる。“同志社のラグビー部にいる人間として、絶対に分かっておかなければならないよ”という話はしました」とその狙いを明かした。
部の歴史を皆が深く理解することで、一体感やチーム愛も生まれてくる。「やはり、同志社に対するロイヤリティーが大事だと思います。そこを持たないと“チームのために”とは思えないでしょうし、チームの中で自分がどういう立ち位置だとかも考えないでしょう。同志社の歴史を知ることで、そこにつながると考えています」と言葉に力を込めた。
目指す理想形は型にはまらない、攻撃的なスタイルだ。「どこからでも攻める。形のないところから形にしていくのが同志社のラグビーだと僕たちは教わった。常にオプションを持った状態でディフェンスを惑わせる。相手チームから“何をやってくるんだ?”、“どこからでも攻めてくるな”というラグビーができれば。関西で頂点に立つ。その先に日本一がある」と青写真を描く。15年を最後に遠ざかる関西の頂点。情熱に満ちあふれた若き指揮官に期待は膨らむ。(吉仲 博幸)
◇宮本 啓希(みやもと・ひろき)1986年(昭61)10月3日生まれの35歳。天理、同大を経て2009年サントリー(現・東京SG)入り。代表歴は高校日本代表、U―19日本代表。現役時は主にCTB、FBでプレー。
◇橋野 皓介(はしの・こうすけ)1987年(昭62)11月20日生まれの34歳。大工大高(現・常翔学園)、同大を経て2010年にキヤノン(現・横浜)入り。代表歴は7人制日本代表など。現役時は主にSO、FBでプレー。
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