パラ担当記者が見た北京大会 戦争の質問に答える選手に違和感…「平和の祭典」競技専念できる環境を
2022年03月15日 06:10
五輪
一方、世代交代が進んでいないことも否めない。顕著なのは、平均年齢35・4歳のアルペンスキー男子だ。メダル獲得は座位で41歳の森井大輝(トヨタ自動車)の銅2個のみ。座位回転は20代前半が表彰台を独占し、立位では21歳のアルトゥル・ボシェ(フランス)が3冠と銅1個に輝くなど、各国で00年生まれの活躍が目立った。日本障害者スキー連盟の夏目堅司アルペン委員長は「課題は若手の育成。発掘して育てるプランを確立させないとまずい」と危機感を口にしており、競技普及を含めたシステム構築は急務だ。
選手たちが競技に集中できるような環境ではなかった。ロシアから侵攻されているウクライナのリュドミラ・リアシェンコは、東部ハリコフの自宅を爆撃で破壊され、直後の7日の競技を棄権。日本選手団には「本当に悲しい。自分たちが平和の祭典に参加している一方で、家がなくなって隣国に逃げないといけない人たちがいる」と複雑な心境を漏らす選手もいた。
各国の選手たちが、競技についてではなく、戦争について答えている取材には違和感を覚えた。本来なら、各国と交流できるはずの平和の祭典――。アスリートたちが、スポーツに専念できる環境が訪れることを願う。(パラリンピック担当)
おすすめテーマ
2022年03月15日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
ウクライナ初の力士、幕下・獅司 母国に贈る白星、客席も大きな拍手
-
ジョージア出身の栃ノ心 ウクライナ侵攻に「平和が一番」、終結願う
-
カド番大関 貴景勝が完敗「一生懸命やるだけ」、正代は連敗スタート
-
新大関・御嶽海は連勝発進 冷静に宇良の動き封じる、理事長も高評価
-
中島 初のオーガスタ攻略へ攻める、ドロー有利も持ち球フェードで「戦える」
-
中島 初のマスターズは「実際に出場となって不思議」「心技体全てが重要」
-
小平 現役続行宣言、35歳が決断「もう一度自分の体を取り戻して氷に立ちたい」
-
美帆 女子1000メートルVで五輪シーズン締めた「考える時間、休む時間を取りたい」
-
新浜 男子500メートル制しW杯通算10勝目「最後2連勝できたことは来季につながる」
-
北京パラ日本選手団が帰国 村岡主将笑顔であいさつ「ありがとうございます」
-
沙羅 W杯最終戦は7位、年間総合5位 現役続行は「明確な答え出せない」
-
日本は6位、スロベニアが初優勝 ジャンプ男子フライング世界選手権団体
-
暁斗 W杯複合最終戦7位、今季表彰台に届かず 前半トップの山本は8位
-
福岡国際マラソン 今年12月“復活”、同コースでMGC出場権取得対象に
-
東京五輪空手組手で銅 荒賀が引退、指導者に「現役生活は幸せでした」
-
大坂が浴びたやじ マリーが見解、許されないが「スポーツにはつきもの」
-
ブレイディー 40日で引退撤回、22年シーズンもバッカニアーズでプレー
-
新潟出身・瀬賀が唯一のアンダーで初優勝 第7回TOP CONNECTレディース