日体大東京五輪金コンビが支援体制に提言 阿部「コーチとも情報共有を」入江「遠征に専門医不在は不安」

2022年03月19日 05:30

スポーツ

日体大東京五輪金コンビが支援体制に提言 阿部「コーチとも情報共有を」入江「遠征に専門医不在は不安」
(左から)柔道の阿部詩、女子ボクシングの入江聖奈 Photo By スポニチ
 昨夏の東京五輪でともに金メダルを獲得した柔道女子52キロ級の阿部詩(21=日体大3年)とボクシング女子フェザー級の入江聖奈(21=同)が18日、東京・世田谷区の日体大で開かれたアスリート支援のシンポジウムに出席し、パネリストとしてサポート体制の効果を明かすとともに課題についても指摘した。
 日体大は14年に選手を支援する「アスリートサポートシステム(NASS)」を設立し、16年からは医・科学部門でのサポートを本格化。東京五輪・パラリンピックでは36人がサポートを受け、8個のメダル獲得につなげた。阿部は月1、2回のカウンセリングなどメンタル面でサポートを受けられたことに感謝する一方、国立スポーツ科学センター(JISS)で受けるサポートは異なると指摘。普段指導を受けているコーチや監督も含め「情報共有してもらって、トレーニング内容や心理状態を知ってもらうことが大切と思う」と提言を口にした。また、東京五輪前は大会の時期と生理周期について悩んでいたと明かし、「他の人と比べることができない部分。気軽に話せる方がそばにいたらと思っていた」と女性アスリート向けのサポート充実を訴えた。

 入江はトレーニング、メンタル、女性支援の3部門でサポートを受けたという。トレーニングでは強化ポイントを伸ばすための練習メニューを提案され、アップの際にアブローラーを導入。「上半身に刺激を入れることでパンチが決まるようになった。よりパフォーマンスを引き出せると感じた」と話した。また、五輪予選に出場する代表決定戦の前には心理面のカウンセリングで「代表を争う緊張は限られた人しか味わえない。誇りに思った方がいい」とアドバイスされ、「緊張感をぜいたくなものと捉えることができた」と効果を説明した。サポート面の課題については、ボクシングでは五輪や世界選手権以外の国際大会に日本人の専門医が同行できていないと指摘。高校時代の海外遠征で発熱した際は「現地でピンクの薬を飲まされて(ドーピング違反が)不安だった」と明かした。

 大学ではサッカーやバスケットボールなどボクシング以外の実技に取り組み「体の使い方の幅が広がった」と言う入江に対し、「稽古論」の授業で「五輪書」に触れた阿部は「宮本武蔵の生き方を学べた」と、それぞれ競技にプラスになったと声をそろえた。目標を問われると阿部は「一番はパリ五輪での2連覇」とキッパリ。現役は大学までと公言している入江は「9月のアジア大会で金メダルを獲得して、(五輪の金メダルに続き)また日本女子初の称号をいただけるように頑張りたい」と意気込んだ。

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