【バドミントン】オグシオ、14年越しの本音(1)「恐怖しかなかった」失意の北京五輪 テレ朝で初対談

2022年08月20日 12:00

バドミントン

【バドミントン】オグシオ、14年越しの本音(1)「恐怖しかなかった」失意の北京五輪 テレ朝で初対談
対談で涙を流す(左から)小椋さん、潮田さん(テレビ朝日提供) Photo By 提供写真
 バドミントン女子ダブルスをけん引したオグシオペアこと小椋久美子(39)、潮田玲子(38)組。実力とスター性を兼ね備えた2人は日本バドミントン界をリードしてきた。2008年にペアを解消してから14年。2人がテレビ朝日の企画で初めて対談を行い、オグシオブームからペア解消までの道のりを本音で振り返った。
 オグシオブームが巻き起こったきっかけは07年世界選手権での銅メダル。「帰ってきた空港が凄かった。あそこでブーム来たなって…(笑い)」と小椋さん。同年末に流行語大賞にノミネートされた。潮田さんも「もうちょっと前から取材数が凄い多いと感じていたけど、一般の方に知ってもらえたのは世界バドミントン」と振り返る。

 強烈なスポットライトを浴びる一方、苦悩や葛藤も多かった。一人の世界に入り込み集中を高める小椋さんと、リラックスしながらムードをつくる潮田さん。敗戦直後に気持ちの整理ができなかった小椋さんは取材を受けたくないと泣きながら訴えた時もある。そんな時は潮田さんが一人で取材を受けた。

 「一人で頑張って取材受けてくれていたんだよね。ずっと矢面に立ってくれているなって。オグシオの一番苦しい時の最前線に立ってくれてるのが有り難くて…」。小椋さんは潮田さんに語りかけ「自分を助けてくれるのが玲ちゃんしかいなかった」と明かす。潮田さんも「分かり合えるのは2人だけだった」と振り返った。

 国民の期待が最高潮に達したのが、08年北京五輪。その直前は調子が上がらず、国際大会で初戦敗退し、国内でも負けた。未知の重圧に小椋さんは「恐怖しかなかった。心と体のバランスが悪かった」と回顧する。潮田さんも「思っている以上の期待がのしかかっていた。インタビューでは、メダル獲りますと言うまで終わらせてくれない、みたいな」と打ち明ける。

 結果的に準々決勝で敗れ、メダルには手が届かなかった。深い傷を負った小椋さんはしばらく、自身の肩書きを「北京五輪出場」でなくあえて「日本代表」とした。潮田さんも「記憶を抹消したい気持ち。コンプレックスとして残ってしまった。そこに対しての話は目を背けていた」。ペア解消からずっと2人で夢舞台を語り合うことはせず、逃げていたという。

 14年の年月が流れ、北京五輪を2人でやっと振り返ることができた。今、当時の自分に何と声を掛けたいか――。そんな潮田さんの質問に小椋さんは答える。「それまで4年間、頑張って突っ走ってきて、何でその自分を信じてあげられなかったんだろうと思って…それが悔いに残っている。今のままの自分で勝負しておいでって言ってあげたい」。その言葉に涙を流した潮田さんは「同じ思いだったんだなって。そんなにみんな誰も期待してなかったよ、みたいな(笑い)。戻れるなら言ってあげたい」と晴れやかに語った。

 ○…日本勢のメダルラッシュが期待されるバドミントン世界選手権が今月22日に東京体育館で開幕する。テレビ朝日系列で放送され、今大会の応援キャスターには小椋さん、潮田さんの2人が就任。開幕前に行われた2人の対談は20日からテレビ朝日公式YouTube「背番号5」とテレビ朝日バドミントンの公式ツイッターなどで随時配信開始。

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