【18日開幕 関西大学ラグビーAリーグ】同大 完全復活へ、5月に急逝した昨季主将の思いを背負い…

2022年09月15日 08:00

ラグビー

【18日開幕 関西大学ラグビーAリーグ】同大 完全復活へ、5月に急逝した昨季主将の思いを背負い…
5月に急逝した昨年度主将の南さんの遺影を手にする同大・梁本主将 (撮影・成瀬 徹) Photo By スポニチ
 ムロオ関西大学ラグビーAリーグが18日に開幕する。昨季4位と振るわなかった同大は、7季ぶりの王座奪回が目標。OBの宮本啓希新監督(35)の下、フランカー梁本旺義主将(やなもと・おうぎ、4年=常翔学園)を中心にハードな練習を積んできた。昨季共同主将を務めた南光希さん(享年23)が今年5月23日に急逝。亡き先輩の思いも背負って新シーズンに挑む。
 名門復活へ、少しずつ歩みを進めてきた。新たに宮本監督を迎えて臨む今季の同大。開幕を前に、8月の菅平合宿では早大に25―33と善戦した。その後は関東に出向いて社会人チームらと合同練習を実施。現状への手応えを、フランカーやロックを担う梁本主将が口にする。

 「春は全くダメだったけど、今は70~80点ぐらい。どうしたらいいかを話し合いながら選手一人一人が考えてきた。徐々に良くなってきて、自分たちのラグビーになってきた」

 昨季は大学選手権の準々決勝で帝京大に24―76と大敗。新監督の目指すスタイルの構築にも時間を要し、関西大学ラグビーの春季トーナメントは初戦の2回戦で立命大に14―57で敗れた。「春は主将としてめちゃくちゃしんどかった。自分のプレーもあかんくて、引っ張るどころか迷惑をかけていた」。苦しい状況の中でも、指揮官らと話を重ね、攻撃的なラグビーを継続。ようやく形になってきた。

 今季は先輩の思いも背負っている。今年5月23日、昨季の共同主将だった南光希さんが急逝。家が近く、中学時代からお互いを知る梁本にとって衝撃的な出来事だった。「練習で朝にグラウンドへ来たときに宮本さんから教えてもらった。誰のことを言っているのか分からなかったし、今でも実感がない」。信じられない気持ちを抱きながら、通夜と告別式に参列した。誰よりも体を張ったプレーでチームを引っ張り、関西制覇、そして日本一を目指した先輩に対して語りかけた。

 「告別式に行っても(亡くなったという)実感がなかったんですけど、光希さんは“関西、優勝したかったなあ”ってずっと言っていたんです。だから“光希さんが掲げた目標を今年は達成します”と伝えました」

 練習グラウンドの脇にあるクラブハウスの2階には、南さんの遺影が飾られている。リーグ戦でもベンチに置き、選手たちは喪章をつけてプレーする予定だ。長く遠ざかっている関西制覇、その先にある大学日本一を目指して――。

 「昔からアタックが強くて、見ている人を楽しませるのが同志社のモットーでもある。今年の自分たちのスタイルならできると思うし、そのためにもディフェンスを頑張って、かつ自分たちが動き続けないといけない」

 亡き先輩とともに、頂点を目指す戦いが始まる。 (西海 康平)

 監督未経験の35歳が名門の再建を託された。今年2月から同大で指揮を執るのはOBの宮本監督。同じく新任で1学年下の橋野皓介バックス統括コーチ(34)とともに早朝4時半起きで指導にあたる。

 まず学生に求めたのが肉体の強化だ。昨年の大学選手権は準々決勝で帝京大に24―76で大敗。「誰が見てもフィジカルで負けていたと分かる内容でした」。選手個々に目指すべき体重を設定させ、FWなら6~7キロの増量をノルマに課した。全体練習は昨季までの夕方開始から早朝6時45分開始に変更。全ては体づくりのためだ。

 「体を大きくするために生活のリズムをつくりたかった。それと、以前は練習前に食事の提供があったけど、動く前だと多く食べられない。今は練習後に食事を用意して、思いきりご飯を食べられるようにしています」

 攻撃のスタイルも一から構築。徐々に選手たちの理解も深まってきた。「同志社は攻めないといけない」という信念を胸に、まずは立命大との開幕戦でスタートダッシュを決めたい。

 ◇宮本 啓希(みやもと・ひろき)1986年(昭61)10月3日生まれの35歳。天理、同大を経て2009年サントリー(東京SG)入り。代表歴は高校日本代表、U―19日本代表。現役時は主にCTB、FBでプレー。

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