日本ラグビー協会・土田会長が語る…日本VSオールブラックス「19年のような“良い試合”を」
2022年10月26日 04:20
ラグビー
「今年はウルグアイ、フランス、(キャップ対象外の強化試合で)オーストラリアA代表、オールブラックスが来て、今度(11月)はイングランドとフランスへ行く。これだけ試合が組めるようになってきた。6万人を超えるということは、日本のラグビーファンも“チャンスがあれば日本が勝つんじゃないか”という思いでドキドキしてくれているのかな。日本のジャージーを着てくれるファンが増えてうれしい」
――強豪とマッチメークできる一方、今夏から惜敗が続いた。ティア1と称される代表チームの世界最上位グループに対し、勝利まであと一歩のところで足踏みとなった。
「ティア1のイングランドやフランス、オールブラックス、ワラビーズ、南アフリカは常に安定している。日本は(勝つ)チャンスがあっても競り負けて、まだまだ(発揮できる)力が一定ではない。一番(重要なこと)は選手層だと思う。19年W杯は、同じメンバーで戦って、ケガしたら代わりがいなかった。昨年からスコッドを大きくして、今年も(代表候補)50人ほどを選んでから(合宿を経て)40人くらい(に絞り込んだ)。今回のオールブラックスだって(当初の来日メンバーには通算40キャップを誇る)ダミアン・マッケンジーが入ってこない。そのくらいの層がある」
――ジョセフHCとのコミュニケーションは。
「(今月)19日にはランチしながら話した。“ベストメンバーはどうだ?”“勝てそうか?”“オールブラックス戦(のスコア)は何対何だ”とか(笑い)。日本協会への要望や来年のW杯フランス大会までのテストマッチなども常に話している」
――プロップ稲垣(埼玉)は“落としていい試合は一つもない”と覚悟を示している。
「23年W杯に向けてのビデオを日本協会が作製した時、みんなが“19年の大会は良かった”とコメントしたのに対し、稲垣選手だけが“ベスト8で負けて、あんなに悔しい思いをしたことがない”と言っていた。ジェイミーとも話して、そうだよね、と。こういう選手が30人、40人と増えないといけない」
――伝統的強さを誇るオールブラックスから学ぶことは。
「やはり、ニュージーランドのラグビーは文化。(同国の選手は)代表ジャージーを着たら負けたくない(という思い)、オールブラックスの規律とか、徹底して教えられる文化で育っている。そういう国に少しでも追いつく文化をつくりたい」
――オールブラックス戦への期待は。
「もちろん、勝ってほしい。ファンの皆さんがもう一度、19年W杯を思い出して、視聴率も取れたらうれしい。(ラグビー普及のために)“にわか”をつくらないと。それには良い試合をしないといけない。良い試合とは、勝つことだと思っている」
◇土田 雅人(つちだ・まさと)1962年(昭37)10月21日生まれ、秋田県出身の60歳。秋田工から進学した同大ではNo.8として故平尾誠二さんと大学選手権3連覇に貢献。85年にサントリー(現リーグワン東京SG)に入団し、日本代表では85年10月のフランス戦で初キャップ。95年の現役引退後はサントリー監督として95、00、01年度に日本選手権優勝に導いた。15年から日本協会理事、22年6月から現職。
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