日本ラグビー協会・土田会長が語る…W杯4強へ構想、指導者育成、日本人指揮官

2022年10月26日 04:20

ラグビー

日本ラグビー協会・土田会長が語る…W杯4強へ構想、指導者育成、日本人指揮官
インタビューに応じる日本ラグビー協会の土田雅人会長 Photo By スポニチ
【単独インタビュー(2)】日本ラグビー協会の土田雅人会長(60)は6月の就任から、26日で4カ月を迎えた。25日には都内で本紙の単独インタビューに応じ、日本ラグビー界の未来へ思いを語った。
 ――会長就任から4カ月。ここまでの仕事で感じたことは。
 「課題はいっぱいある。一つずつ、何が課題でどう改善していくかが見えてきた4カ月。W杯再誘致やリーグワンの集客やサポート体制、7人制の国際試合がないことが日本の強化につながってないなどの話が進み出している」
 
 ――就任会見では“世界を代表するラグビーユニオン(協会)をつくりあげたい”と所信表明した。
 「やはり、プライドを持って仕事をする。今回のようにオールブラックスが来て、(会場を)満員にして、協会の運営がうまくいって、オールブラックスに“世界一ですね”と言われること。大変だと思うが、みんながプライドを持って働く。私の仕事は70億円くらいの稼ぎを150億円くらいにして、普及活動をやる。150億円くらい集まれば、ニュージーランド協会と同じくらい。夢ではなくて、何年後かには実現できると思う。そういうプライドを持つことが大事」

 ――来秋にはW杯フランス大会が控えている。継続的に強化してくために必要なことは。
 「やはり、リーグワンの活性化。(これまで以上に)トップの外国人選手がプレーできるようになることが大事だなと思う。W杯でベスト4以上、優勝を狙うためには、国内リーグがしっかり強くなり、その国内リーグが海外チームと戦えるようになること。そのストーリーを(私たちが)どう、つくっていくか」

 ――指導者の育成も必要になる。
 「ジェイミー(ジョセフ・ヘッドコーチ)とも話しているけど、FW担当の長谷川コーチや(リーグワン横浜の)沢木監督など、プロ指導者がやっと増えてきた。だが、ジェイミーとの共通意見は、彼らにはまだ海外ネットワークがないということ。世界の代表監督たちはつながっている。(イングランド代表ヘッドコーチの)エディー・ジョーンズとジェイミーもつながってるし、海外のティア1では“試合やらないか”“この時期にどうだ?”等の話ができる。今、そこに日本人がいますか?となると、残念ながらいない。せっかく今、世界の10位に入ってくるくらいのレベルにあるので、日本人の監督、コーチをつくっていかないとだめ」

 ――将来的な代表の日本人指揮官の構想は。
 「もちろん、そうしたい思いもある。育てていかないといけない。あとはレフェリーの育成が必要。残念ながら、W杯で日本人レフェリーがほとんど吹けない。フランス大会もゼロになる。そういう意味では、トップレフェリーを育成しないといけない。滑川(剛人)さんが(トヨタに所属しながら選手兼任で)やってきたように、各チームにレフェリーを育ててもらって、協会が海外に送り込む。リーグワンの開幕戦は外国人レフェリーを連れてきて、教えてもらうとか、各チームで育ててもらい、海外遠征費は日本協会が負担して、海外のテストマッチで吹かせてもらうようなことができないかと、リーグワンとも話をしている」

 ――日本代表の5年後、10年後など将来を見据えた強化プロセスは。
 「ジェイミーには8年も代表監督をやってもらっている。同じチームで8年も指揮するって難しいことだと思う。ジェイミーが辞めると決めているわけではなくて、次の日本代表の監督やリーグワンの方向性なども話し合う必要がある」

 ――今後における理想の日本代表像は。
 「型を作ることだと思う。例えば、神戸なら神戸のラグビーがあり、東京SGにも歴史があり、誰が監督をしようとアタッキングラグビーをする。日本代表はエディーの後にジェイミーがいて、しっかりやってもらった。今後は“日本のラグビーはこうだよね”というのをつくらないといけない。監督が替わろうが、“こういうラグビーをしてくれ”と言いたい」

 ◇土田 雅人(つちだ・まさと)1962年(昭37)10月21日生まれ、秋田県出身の60歳。秋田工から進学した同大ではNo.8として故平尾誠二さんと大学選手権3連覇に貢献。85年にサントリー(現リーグワン東京SG)に入団し、日本代表では85年10月のフランス戦で初キャップ。95年の現役引退後はサントリー監督として95、00、01年度に日本選手権優勝に導いた。15年から日本協会理事、22年6月から現職。

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