Sトラック・宮田将吾 「浪速の弾丸」系譜継ぐ19歳 26年五輪での逆襲へ肉体改造

2022年10月26日 06:00

ショートトラック

Sトラック・宮田将吾 「浪速の弾丸」系譜継ぐ19歳 26年五輪での逆襲へ肉体改造
21年12月、北京冬季五輪に向けた壮行会で整列する(左から)杉尾監督、宮田、西谷 Photo By スポニチ
 【オリンピアンロードの歩き方】五輪を目指すアスリートや関係者らを取り上げるコラムの今回は、スピードスケート・ショートトラックの宮田将吾(19=阪南大)。不完全燃焼に終わった北京五輪から、どのように再出発しているのか。指導する阪南大の杉尾憲一監督(59)に話を聞いた。

 「浪速の弾丸」の系譜を継ぐ19歳が、国内で圧倒的な強さを示した。10月8~9日に長野・南牧村で開催された全日本距離別選手権で、宮田が500メートルと1000メートルを制して2冠を達成した。準決勝で失格となった1500メートルを除き、吉永一貴や菊池耕太、小池克典ら五輪でともに戦った選手たちを上回った。

 「今年はめちゃくちゃ練習をしてきたので」と振り返るのは、宮田を小学生の頃から見てきた阪南大の杉尾監督だ。日本勢最年少金メダリストを目指した北京五輪では、出場した個人種目の1000メートルと1500メートルでいずれも予選敗退に終わった。「スタミナ不足でしたよね。最後に足が残っていなかった」と杉尾監督。4年後のリベンジへ、落ち込んでいる暇はなかった。

 98年長野五輪男子500メートルで金メダルを獲得し、抜群のスタートで「浪速の弾丸」の異名を誇ったのが阪南大出身の西谷岳文。その金メダリストも指導した杉尾監督は選手たちを成長させるため、環境面の整備を図った。その一つとして、07年から21年まで阪神タイガースのトレーナーを務め、現在は芦屋市内でトレーニングジムの代表を務める権田康徳さんと契約した。

 多いときで週2~3回、現在でも週1回は必ずジムに足を運び、肉体改造に着手してきた。「筋力とパワーをつけて、それを動きにつなげる。専門家の方に指導してもらって、宮田も明らかに筋肉がついた」(杉尾監督)。遠征時でも権田さんにメニューを組んでもらい、トレーニングに励んでいる。

 そのパワーを動きにつなげるため、8~9月は猛練習を実施した。計30日間におよぶ合宿で1日6時間の練習を続け、徹底的に滑り込んだ。一方で管理栄養士とも契約し、食事面も細かくサポート。その環境下で培われた肉体で、宮田は距離別選手権で2冠を達成した。

 小学校に上がる直前にショートトラックの競技を始め、ずっと西谷に憧れてきた宮田は当然、26年ミラノ・コルティナダンペッツォでの金メダルを視野に入れている。まずは今月28日から始まるW杯シリーズで現在地を確かめる。

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