【羽生結弦さん、語る プロローグ千秋楽(2)】東京D公演「GIFT」へ抱負「物語は恩返しから」
2022年12月05日 19:09
フィギュアスケート
「えっと、まず東京ドームも一人でやるつもりです。もちろん演出とかは、もうちょっと凝った、こういう凝ったものではなくて、もっともっといろんなテクノロジーを使ったりとか、そこの間自体もビデオとかではなくて、もっと何か演出として楽しめるような、物語を楽しめるようなものも、また新しい感覚で楽しんでいただけるようなショーというよりスケート、物語にしていきたいなというふうに思っています。今後も、こういうプロローグのような形のアイスショーだったりとか。いろんなアイスショーにも参加させていただく予定ですし。何だろ、こういう既存のショーからちょっと進化したようなショーたちもどんどんますます進化させていきたいと思いますし。もっとやっていきたいんですけど、それとは本当にまた全く違ったスケートの見方、みたいなものを東京ドームではやりたいかなと思っております。で、27歳はまだ終わっていないので(笑い)。何とも言えないんですけど、僕にとって27歳は本当に大きな節目を迎える年になりました。えー、27歳の途中でプロに転向するという決意をして、今ここでプロ初のツアーを。とりあえず2カ所ですけど、凄く内容の濃いものを完走し切れて、ちょっとプロに…僕の理想とするようなプロにちょっとなってきたかなって、足を一歩踏み出せたかなっていう気持ちでとりあえず27歳を終えることができると思います。28歳は本当にプロだけの自分になると思うので、その大きな節目を超えた自分がまた、アマチュア時代の自分とかを見た時に、今の方がうまいなと胸を張って言えるようにこれからもどんどん成長していきたいですし。あとは自分の演技が見たいなって思った時にアマチュア時代の演技を探すのじゃなくて、今の自分でスッと刺さるような演技をこれからも目指して頑張っていきたいなと思います」
――「悲愴」の演技の説明にもあったが、千秋楽を八戸でやる意味は。
「たまたま会場が空いていなくて千秋楽が八戸になってしまったというのはあるんですけど。でも、やっぱり自分としては東北で何とかやりたいという気持ちはもちろんありましたし。で、東北の地でやるのであれば、自分のこのプロローグの、自分の半生みたいなものを描いている中に3・11があるように。きっと、このショーを見にきてくださっている方々の中に3・11っていう傷が残っていると思うので。少しでも何か自分の演技を見て消化したり、逆にそれを思い出して悼んだり。それが良いことなのか悪いことなのかはちょっと分からないですけど。少しでも何かしらの気持ちが灯るきっかけとしての演技をしたいなと思いました」
――東京ドームという日本を代表する箱を選んだ理由、構想を始まった時期は。タイトルのGIFTに込めた思いは。
「えっとー。プロローグよりも先に東京ドームのお話はスタートしました。ただ、(会場を)実際に取れる取れないという話がかなり難航して。結局最終的にどうなるか分からない状況の中でプロローグをとりあえずやろうという話になって、箱が取れて、みたいな感じでプロローグの構成を先に進めながら、またGIFTも考えながらみたいなことをやっていました。まあ東京ドームを選んだ理由というのは…うーん。正直な話を言うと、東京ドームでやらないかっていういうお話をいただけたからというのが一番ですかね。正直、僕はそこまでの実力があると思っていないし、そこまでうぬぼれてないですし、そこまで自信があるわけではないんですけど。ただ、東京ドームでやらないかというお話をいただいて、それからいろいろな方のお力を借りたり、また自分で構成を考えたり、いろんな方と構成を考えていく中で東京ドームでしかできないスケートって何だろうというものをいろいろ考えました。それを東京ドームで見せたいなという気持ちで今はGIFTに向けていろいろ進んでいます。で、何だっけ。GIFTに込めた思いは、今までこうやってアマチュア時代をやっていくにあたって、やっぱりいろんな支え方を皆さんにしていただけたなと思っていて。やっぱりそういう方々への恩返しじゃないですけど。自分の物語は最初、恩返しから始まるかなと思って贈り物としてのGIFTというタイトルをつけました。物語自体が皆さんへの贈り物になってほしいですし。またその物語に含まれている自分のプログラムたちが、また皆さんへのギフトになればなと思います」
――横浜公演でプロとしての目標はまだまだフワフワしていると言っていたが、プロローグを通してヒントは見つかったか。
「なんか、このまま続けていっていいんだなという自信にはなりました。正直、このプロローグを構成している段階で、やっぱりフィギュアスケーターとして衣装を変えないでずっと滑り続けるということが物理的に、体力的に不可能だということは既に分かっていたので。そこをどういうふうに皆さんに感じていただけるか。どういうふうに皆さんがそこも含めて最後まで楽しんでいただけるか、見ていただけるかということが凄く不安でした。なので、自分一人でやるショー自体が、皆さんに受け入れていただけるかという不安の中でのプロのスタートだったので、そういう意味ではかなりフワフワしていました。このプロローグを実際に終えてみて、このスタイルでも皆さんに喜んでいただけるんだということがちょっと自信にもなったので。またこれから先自分の半生を描いてショーをやるということはそんなに頻繁にはないと思いますけど、またいろいろなことを考えて、またいろんな構想を練って自分のプログラムが皆さんに届くように、また楽しんでいただけるような自分の理想のプロとしての形を、ショーをこれからも続けていけたらいいなと思いました」
――八戸はゆかりの深い場所で、八戸公演や八戸市に秘めた思いは。
「えっと。うーん。僕が3月に被災をして、アイスリンク仙台が使えなくなってしまった後に東神奈川のリンクでまず自分の恩師である都築先生っていう方にお世話になった後に八戸の方でも電気とかは使えないけど滑っていいよと言っていただいて、何とかそういう中で滑らせていただきました。実際に節電の状態でしたし、電気もつけないで。日中だったので換気用にたぶん天井をちょっと開けることができるんですけど、その明かりだけでプログラムをつくったりとか、体力トレーニングをさせていただいたりとか。そういう意味でも八戸にはお世話になりました。そういう地で、またつくっていただけたプログラムを、この地でできたのは凄く自分にとっても感慨深いものがありましたし。実際に震災があって、すぐにつくったプログラムたちだったので。震災と同い年になるのかな。だからこそ、月日がどれだけ経ったのかということと、また改めて自分自身もこのプログラムに触れることによって、皆さんに触れてもらうことによって、少しでも震災を思い出したり…。思い出して苦しんでいただくのはちょっと申し訳ないなと思いつつも、でも、それがあるからこそ今があるんだってまた思っていただけるように。そういう演技ができたらな思って滑らせていただきました。ありがとうございました」
「何かすみません。僕なんかのためにこうやって集まってくださって。ありがとうございます。頑張ります。本当にうれしいです。皆さんにこうやって集まっていただいて。これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。良いお年を!(笑い)」
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