北口榛花 やり投げ愛であふれる涙「一番見てもらえる種目になれるように」

2022年12月06日 05:00

陸上

北口榛花 やり投げ愛であふれる涙「一番見てもらえる種目になれるように」
受賞者インタビューで、目を潤ませる北口(撮影・河野 光希) Photo By スポニチ
 スポーツニッポンフォーラム制定「FOR ALL 2022」の表彰式が5日、東京都文京区の東京ドームホテルで開催された。グランプリにはゴルフの全米女子アマチュア選手権を制した馬場咲希(17=代々木高2年)、陸上世界選手権の女子やり投げで銅メダルを獲得した北口榛花(24=JAL)、車いすテニスで男子史上初の生涯ゴールデンスラムを達成した国枝慎吾(38=ユニクロ)、令和初の3冠王を史上最年少で達成したヤクルトの村上宗隆内野手(22)が選出された。グランプリ受賞者には副賞としてそれぞれ100万円が贈られた。
 喜怒哀楽を隠さない、北口劇場だった。約7分にわたった受賞スピーチの終盤。競技への熱い思いを口にすると、熱いものが込み上げていた。「今までは“フィールド種目はどうせ見られていない”という気持ちで試合に出ていたこともあった。やり投げが一番見てもらえる種目になれるように…」と絶句すると、人目をはばからず泣いた。

 7月の世界選手権で、投てき種目で日本女子初となる銅メダルを獲得しても、その天真らんまんな人柄は変わらなかった。チェコ人のセケラク・コーチには感謝しつつ「試合中にけんかすることもある。チェコ人の性質を理解しようとしている」と話し、終始“北口節”がさく裂した。

 世界最高峰シリーズとされるダイヤモンドリーグ(DL)で2度優勝し、DLファイナルでも日本勢初の表彰台に立った。6月のDLパリ大会から始まり、米オレゴン州での世界選手権を挟み欧州転戦。「夢だった世界旅行が少しずつかなえることができた」と笑みがこぼれた。

 今年の漢字一文字には突破の「破」を選び「自分の枠も日本人の枠も抜け出せた」と理由を説明。「来年も世界選手権、24年はパリ五輪、25年には東京で世界選手権がある。やり投げをやっている全ての選手と一緒に頑張りたい」。最後は北口スマイル全開だった。(滝本 雄大)

 ◇北口 榛花(きたぐち・はるか)1998年(平10)3月16日生まれ、北海道旭川市出身の24歳。3歳で水泳を始め、旭川東高で陸上やり投げに転向。高3で日本陸連の東京五輪候補育成制度「ダイヤモンドアスリート」に認定される。日大4年時に2度の日本新記録を出し、20年にJAL入社。東京五輪は12位。趣味はK―POPと韓国ドラマ。1メートル79。

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