関学大 甲子園ボウル5連覇 MVP前島「来年はミルズ杯を獲って父を超えたい」
2022年12月19日 06:00
アメフト
「今年はオフェンスが不甲斐なくて、やっと最後にいい試合ができた」
“守高攻低”のレッテルを覆す戦いを期した大一番。前半はTDを奪えず、チームに漂った重い空気を前島の決定力が吹き飛ばす。第4Q4分12秒、10分53秒と立て続けにエンドゾーンへ。攻撃を活性化させ、よみがえらせた3本のTDは、甲子園ボウルMVPのタイトルに十分値した。
「勝利の立役者になれて、個人としても満足しています」
声を弾ませたヒーローの父・純氏も、関学大往年の名ランナー。29年前の甲子園ボウルでミルズ杯に輝いた。「来年はミルズ杯を獲って父を超えたい」。偉大な背中を追う努力はまだ終わらない。
前島と同じく、聖地を逆襲の舞台にしたのはQB鎌田も同じだった。シーズンを通して低調で、学生日本一を争う決戦でも、1年生QB星野に先発を譲る屈辱…。それでも第3Qの途中から司令塔の位置に入り、明らかに攻撃のリズムが変わった。「ずっと良くなかったランプレーが出せて、TDを取れて良かった」。顔に張りついていた苦悩の色は、もう消えていた。
「前半バタバタしたけど、後半はいい試合ができた。満足?後半だけ、ですね」
大村和輝監督は、最後の最後で復活したオフェンスを「らしい」表現で称えた。就任から3年連続で無敗のまま頂点へ。最強の称号を手にしたまま、前人未到の6連覇に挑む。(堀田 和昭)
《トゥロターショーン礼がミルズ杯》DLとしてリーグ戦から関学守備陣の中核を担ってきたトゥロターショーン礼がミルズ杯(年間最優秀選手賞)に輝いた。「チームを支えながら自分のやるべきことをやった結果。自分だけの賞ではない」。2本のQBサックなどで甲子園ボウル5連覇に貢献。「大きな舞台で活躍できてうれしい。ディフェンスで0点でいこうと言っていたけど、点を取られた。オフェンスが取り返してくれた」。まだ3年生で「成長できることはまだある」と6連覇に挑む来季を早くも見据えた。
《衣笠が存在感発揮》多士済々のWR陣で、衣笠が存在感を放った。チーム最多のキャッチ7回で、72ヤードをゲイン。「プレーコールがいつもより多かったけど、(TDまで)もっていかないと…」と反省も忘れない。チーム最速の足を持つスピードスターは最上級生となる来季、エースレシーバーとしての活躍が期待される。「4回生になると、自分だけでなく、周りのことも考えないといけないので」とすでに自覚を口にしていた。
《甲子園ボウル表彰選手》
▽ミルズ杯(年間最優秀選手) 関学大DLトゥロターショーン礼(3年)
▽甲子園ボウルMVP 関学大RB前島仁(3年)
▽甲子園ボウル敢闘選手 早大DL山田琳太郎(4年)
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