国内女子ツアー来週開幕!小林会長「どこを切り取っても見どころ満載」

2023年02月24日 05:00

ゴルフ

国内女子ツアー来週開幕!小林会長「どこを切り取っても見どころ満載」
本紙のインタビューに答えた小林会長(撮影・久冨木 修) Photo By スポニチ
 女子ツアーの開幕戦、ダイキン・オーキッド・レディース(3月2日初日、琉球GC)が1週間後に迫った。昨年は山下美夢有が史上最年少の21歳103日で年間女王に輝き、19歳の川崎春花が日本女子プロ選手権で優勝。20歳の岩井千怜が史上3人目となるツアー初優勝からの2週連続Vを果たすなど若手の台頭が目立った。インターネットによる全試合のライブ配信を実現するなど女子ゴルフの充実に力を注ぐ日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の小林浩美会長(60)に、今季の見どころと協会運営について聞いた。
 ――昨年は全38試合中、日本女子オープンとTOTOジャパンクラシックを除く36試合のインターネット配信が行われ、ファンは全てを生中継で見ることができた。画期的なシーズンだった。
 「初めての試みだったので、JLPGAツアーを通しで配信できたことは感無量です。初日から最終日の優勝争いまでリアルタイムでお届けできた。ライブ中継はプロスポーツの醍醐味(だいごみ)。見ていただいたファンの方々に感謝です。新しい視聴者層にもアピールできて、新しい視聴習慣につなげることができたと思っています」  ――反響は? 「新年度としてはとても感触がありました。配信会社様などからは、良いですねと言ってもらっています」

 ――1社独占ではなくGOLFTV、DAZN、U―NEXTの3社配信だった。
 「ライト層からコア層までいろいろな層に見てもらうのはもちろん、ゴルフに関心がない方々の目にも留まってほしかった。GOLFTVはゴルフが大好きな人、DAZNはスポーツ全般、U―NEXTはドラマや映画など、昨年は3社がそれぞれ違っていたので、幅広い層に女子ゴルフを見る機会とその幅が広がるチャンスになると考えました」

 ――今年も1社独占はないのか?
 「やはり、いろいろな方々にお届けして、見てもらいたいというのが願いです」

 ――それとは別にJLPGAはツアーの全試合の主催権を自分たちで持とうとスポンサーと協議を行っている。その目的は?
 「新たなツアーの価値や女子プロゴルフ界の成長と発展を目指すためにツアー全体の一括管理、全体統括に進みたいと考えています。現在、JLPGAツアー規定や規約などにそって各大会を個別に開催して頂いている中で、さらに協会が横串を差すことで共通化できる事や新規に取り組めることに進んでいきたいと考えています。一例で言いますと、チケットの年間パスや地域パスなどがないので、その創設やスポーツツーリズム、農学専門家によるコースアドバイスなどです」

 ――主催者はそれぞれゴルフ場の施設管理権を持って運営している。現状ではJLPGAが手を出せない部分も多い?
 「例えば現在、スコアボードの数や配置場所も試合によって違います。今はネットで速報が見られるので、スコアボードはそんなに必要ないと思われているかもしれませんが、選手にとっては非常に大事。選手はボードでスコアと順位を確認しながら予選カットや上位争い、優勝などへの戦略を立てます。また、そうなることで勝てるようにならなくては、継続性につながりにくい。こういう点も各大会と個別に折衝が必要です」

 ――主催権の移行を理解してもらうのは簡単ではないと思うが。
 「20年から取り組んでいて、今後も主催者様をはじめ皆さんとお話しながら一緒になって、さらなる女子ゴルフ界の成長と発展を目指し、選手強化を図りツアーの価値を高め、ファンサービスも充実させていきたいです」

 ――昨季の女子ツアーは山下選手を筆頭に若い世代の活躍が顕著だった。
 「年々、若くて力のある人が増え、なおかつ記録も更新しています。山下さんはミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで18ホール最少スコアの60をマーク。川崎選手も日本女子プロ選手権の最終日に8アンダーを出して大会の最年少優勝を果たしました。今の若手は自分でプレーの天井をつくらない。目線が高い。米ツアーに似た雰囲気になってきた感じがします」

 ――その要因は?
 「インターネット社会になり、世界のトッププロのスイングやプレーがリアルタイムで入ってきます。それで目線が高くなり、そこを目指して日々取り組んでいる成果だと感じます。ジュニア時代から国際試合に出て経験を多く積んでいる選手もいます。指導者の指導方法も多様化し、数字や機器を駆使しているので選手のスイングはより精度が高くなり飛距離も出ています」

 ――世代交代も進んでいる?
 「スタッフに調べてもらったところ、13年以降では18、19年のプロテスト合格者が一番優勝者数が多く14人。当然シード選手はそれより多い。以前と比べると、プロテスト合格後3年以内に優勝する選手が今は少なくありません」

 ――古江彩佳選手のように米ツアー1年目で結果を出した選手もいる。日本選手のレベルは上がった。
 「上がっていますし、年々進化している感じです。協会は13年から“世界に勝つ”ことを目標に4日間の試合を増やすなど、さまざまなツアー強化に取り組んでいます。4日間は体力や集中力、午前午後スタートのペース配分などより負荷が大きい。でも今は、日頃から日本ツアーで慣れているので、海外に行っても適応しやすくなったのではないでしょうか。今季は4日間の試合が半数の19試合。主催者様のご支援があって大きな目標が達成できました」

 ――今年のツアーの見どころ、注目選手は?
 「優勝する力を持った選手はたくさん控えています。川崎選手や(下部の)ステップアップツアーで5勝した桜井心那選手のように、ブレークする可能性があるステップの選手たちや昨年のプロテストに合格した新人の活躍はとても楽しみです。若林舞衣子選手のようなママさん選手の活躍はロールモデルですし、ベテランも若手も誰が勝ってもおかしくない環境で、45歳以上の女子シニアも頑張っています。どこを切り取っても見どころ満載です(笑い)」

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