車いすテニス17歳の新王者・小田 全仏Vと世界1位で変化「俺にしかできない」

2023年06月21日 04:59

テニス

車いすテニス17歳の新王者・小田 全仏Vと世界1位で変化「俺にしかできない」
帰国して会見開いた小田 Photo By スポニチ
 車いすテニス男子シングルス世界ランキング1位の小田凱人(17=東海理化)が20日、羽田空港に帰国して会見を開いた。11日に閉幕した全仏オープンを4大大会史上最年少となる17歳33日で制覇。12日発表の世界ランキングで史上最年少で1位に就いた。17歳の新王者は次なる目標をウィンブルドン選手権(7月3日開幕、ロンドン)の優勝に設定。パリ・パラリンピックが開催される来年の年間ゴールデンスラムも視野に入れ、さらなる進化を誓った。
 50人超の報道陣が集まった凱旋会見。全仏の優勝シャーレを手にした小田は「世界ランキング1位の小田凱人です」とドヤ顔で第一声を発し「これだけは言いたかった」といたずらっぽく笑った。史上最年少の4大大会制覇と世界1位。2つの夢をかなえ「マインドが“俺ならできる”から“俺にしかできない”に変わった」と視線を上げた。

 次なる目標はウィンブルドン選手権。昨年は初戦敗退しており、赤土の全仏と異なる芝のコートは得意ではない。全仏翌週の大会ではスペイン選手に準決勝で敗退。相手から研究される立場となり、4大大会連続Vは簡単ではないが「これから何回も(4大大会を)獲れるチャンスはある。何回獲れるかを、これからの目標にしたい」と力を込めた。

 1月に引退した国枝さんは4大大会通算50勝(シングルス28勝、ダブルス22勝)。小田は「長い道のりだけど、まだまだ現役生活は続く」と強調。視線の先にはパラリンピックが開催される来年の年間ゴールデンスラムも入ってくる。同一年に五輪かパラと4大大会全てを制する偉業で、過去に88年のグラフ(ドイツ)、車いすで21年のデフロート(オランダ)の女子2人しか達成していない。

 全仏決勝の翌朝には名前の由来となった凱旋門を初訪問。スマホの待ち受けにした。「まだまだ夢をかなえていきます」。プロ2年目の新王者は唯一無二の存在を目指し、始まったばかりの競技人生を突き進んでいく。(木本 新也)

 ≪国枝慎吾さん称賛「政権長く続く予感」≫1月に引退した国枝慎吾さんが20日、都内で取材に応じ、全仏オープンを4大大会史上最年少で制した小田を「決勝も完勝だった。小田政権が長く続くと予感させた」と称賛した。元王者は全仏前に小田の要望に応じてクレーコートで一緒に練習し「僕が持っている奥義というか戦い方を教えた」と言う。自身の後継者へ「あれだけ若くして完成度の高い選手は歴史上いない。新しい車いすテニスの世界をつくっていける」と期待した。

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