ラグビー日本代表・ジョセフHC、W杯限りで退任 土田会長は続投要請も協会内に長期政権慎重意見

2023年06月30日 03:00

ラグビー

ラグビー日本代表・ジョセフHC、W杯限りで退任 土田会長は続投要請も協会内に長期政権慎重意見
練習を見るジョセフヘッドコーチ(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 ラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、53)が、今秋のW杯フランス大会後に退任することが29日、関係者への取材で分かった。ジョセフHCの現行の契約期間は今年12月31日まで。19年日本大会では史上初の8強入りに導いた闘将が、集大成の舞台となるフランス大会を最後に、約7年率いた日本代表に別れを告げる。
 次期ヘッドコーチ人事を巡っては、3月6日に東京都内で行われたW杯開幕半年前の会見後、日本協会の土田雅人会長がジョセフHCを「第一候補」とし、続投要請を行ったと発言。それ以前から3期目に意欲的だった同HCも、受諾するものとみられていた。

 だが協会内には以前から長期政権に慎重な意見もあり、条件面の提示に至らず。一方で続投意欲を示していたジョセフHCには、3期目に向けての強化計画のプレゼンテーションを求めたという。そうした出方に同HCも態度を硬化。日本協会が定めた期限までに続投意思を示さなかったため、任期満了での退任が確実となった。

 ジョセフHCは、95年W杯ではオールブラックスの一員として準優勝に貢献。大会後に当時西日本社会人リーグのサニックスに加入し、99年W杯では平尾ジャパンの一員として2度目のW杯を経験した。01年の引退後は母国でコーチキャリアを積み、15年にハイランダーズを率いてスーパーラグビーを制覇。16年にエディー・ジョーンズ前HCの後を継いで就任し、日本代表の強化に尽力した。

 2度目のW杯イヤーとなった今年は、春先からリーグワンの各チームを巡回。主力選手とは密にコミュニケーションを取る一方、CTB長田、WTB木田らノンキャップの新戦力を見定めた。浦安合宿では、柔術など格闘技の専門家で13人制ラグビーの指導者でもあるジョン・ドネヒュー氏を招聘(しょうへい)。タックルスキルを磨くなど、順調に強化が進んでいる。

 W杯後の退任は代表チーム内では周知の事実だといい、W杯に向けての影響はごく限定的。ジョセフHCも最後の大仕事に向け集中しており、再び「ONE TEAM」となってフランスに乗り込む。

 ◇ジェイミー・ジョセフ 1969年11月21日生まれ、ニュージーランド・ブレナム出身の53歳。92年に同国代表初キャップを獲得し、95年W杯に出場。W杯後にサニックスに加入し、99年W杯には日本代表として出場した。通算キャップはニュージーランド20、日本9。03年に指導者に転じ、11年にはハイランダーズHCに就任。15年にスーパーラグビー初優勝に導いた。16年9月から日本代表HCとして指揮。現役時代のポジションはフランカー、No.8。

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