悲運の元十両・慶天海が引退 締め込みで土俵に上がったのは2日のみ…ケガに泣いた土俵人生

2024年03月06日 17:14

相撲

悲運の元十両・慶天海が引退 締め込みで土俵に上がったのは2日のみ…ケガに泣いた土俵人生
引退を発表した慶天海 Photo By スポニチ
 日本相撲協会は6日、元十両で西三段目43枚目の慶天海(33=阿武松部屋)が現役を引退したと発表した。
 慶天海は西三段目31枚目で臨んだ初場所を3勝4敗で取り終え、16年間の力士人生に終止符を打った。鹿児島・奄美大島出身の慶天海は地元の古仁屋相撲クラブで3歳から相撲を始め、埼玉栄高に相撲留学。体重100キロに満たない小兵ながら低く食い下がる相撲で活躍した。08年初場所、阿武松部屋に入門して前相撲から初土俵。そこから4年半、高校時代から痛めていた右肩、さらには左膝などの度重なるケガを乗り越えて12年秋場所で新十両に昇進した。

 念願かなえて関取昇進を果たした場所で、さらなる悲劇が待っていた。初日を白星で飾るも、2日目に敗れた際に右膝前十字靱帯断裂の大ケガを負って翌日から休場。NHKの新十両インタビューに出演することもできなかった。

 その後は5場所連続全休。序ノ口で復帰した13年秋場所から2場所連続の各段優勝を含む8場所連続勝ち越しで十両復帰目前の東幕下2枚目まで一気に番付を戻した。15年初場所千秋楽、勝てば関取復帰確実となる3勝3敗で迎えた大一番。中に入って有利な体勢を作るも攻めきれず、希善龍に寄り倒しで敗れて大きなチャンスを逃した。

 そこからさらに3場所連続で負け越し、関取昇進圏内の幕下上位からは遠ざかった。22年名古屋場所を最後に幕下から陥落。三段目生活が続いていた。

 関取在位は1場所で、故郷の海をイメージした鮮やかな青色の締め込みで土俵に上がったのはわずか2日のみ。母校の埼玉栄高からもらった化粧まわしを締めて土俵入りすることはかなわなかった。両肩、両膝など度重なるケガに苦しんできた土俵人生。悲運の元十両力士が16年間の現役生活に幕を下ろした。

 ◇慶天海 孔晴(けいてんかい・こうせい)本名=慶孔晴。1990年(平2)3月10日生まれ、鹿児島県瀬戸内町出身の33歳。古仁屋相撲クラブで3歳から相撲を始め、埼玉栄高に相撲留学。2年時に全国高校総体団体優勝。3年時に関東大会100キロ級準優勝。阿武松部屋に入門し、08年初場所で初土俵。同年九州場所で序二段優勝。12年秋場所で新十両昇進。同場所2日目に右膝前十字靱帯断裂の大ケガ。13年秋場所で序ノ口優勝。翌九州場所で序二段優勝。関取在位1場所。通算成績336勝252敗78休。1メートル75、113キロ。

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