玉ノ井親方の目 阿炎が若元春を破り無傷の4連勝「本来の突っ張りが戻り始めている」

2024年03月13日 19:07

相撲

玉ノ井親方の目 阿炎が若元春を破り無傷の4連勝「本来の突っ張りが戻り始めている」
若元春(右)を攻める阿炎 (撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 【大相撲春場所4日目   ○阿炎(突き出し)若元春● ( 2024年3月13日    エディオンアリーナ大阪 )】 突き押し相撲は勝ちと負けのどちらかが一方的に続く“つら相撲”になりやすいが、今場所の阿炎はそれが良い方向に出ている。
 若元春との全勝対戦。低い姿勢から喉輪で押しこみながら一気に前に出た。腕もよく伸びて若元春の上体を起こすと、そのまま押し切った。

 22年(令4)の九州場所で幕内初優勝。昨年は大関候補に名乗りを上げるかと期待されたが、肘のケガなどもあり、思うような結果を残せなかった。12月には、師匠の先代錣山親方(元関脇・寺尾)が急逝するショックもあった。精神的にも難しい状況で挑んだ初場所は、8勝7敗と勝ち越すのが精いっぱいだった。

 すっかり精彩を欠いていたが、今場所は肘の状態もだいぶ良くなってきたのだろう。長いリーチを生かした回転の良い突っ張りが相手の体にヒットして、しっかりと足も前に出るようになっている。

 加えてメンタル面でも、新しい師匠のもとで落ち着きを取り戻し始めたのではないか。

 面白いもので白星が続いてくると体も大きく見える。特に突き押し相撲は勢いに左右されるところがあるので、なおさらだ。
 2日目の貴景勝戦のように土俵際まで押し込まれても、回り込むのがうまいから簡単に土俵を割ることがない。

 阿炎のような人気力士が好調をキープしてくれれば大阪のファンも喜ぶ。
  (元大関・栃東)

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