【玉ノ井親方 視点】初V王手の大の里 千秋楽は大きなプレッシャーが掛かる 簡単にはいかない

2024年05月25日 19:33

相撲

【玉ノ井親方 視点】初V王手の大の里 千秋楽は大きなプレッシャーが掛かる 簡単にはいかない
<夏場所14日目>湘南乃海(左)を押し出しで下す大の里(撮影・久冨木 修) Photo By スポニチ
 【大相撲夏場所14日目   ○大の里(押し出し)湘南乃海●  ○琴桜(押し出し)阿炎● ( 2024年5月25日    両国国技館 )】 相撲に勝って勝負に負けた。琴桜の取組はそういう一番だった。当たってすぐに阿炎を突き放して土俵際まで追い込んだ。そこまでは良かった。だが、伸ばした右腕をたぐられ、体を入れ替えられてしまう。攻勢から一転、守勢に回りそのまま押し出されてしまった。
 阿炎には過去8勝2敗と大きく勝ち越しており、しかも7連勝中だった。そのため警戒心が薄れてしまったのかもしれない。ただ、実は前回黒星を喫した一番も同じように腕をたぐられ、逆転負けを許したものだった。

 琴桜が土俵際で攻め急がずにワンテンポ置く余裕があれば結果は変わっていただろう。しかし、優勝を期待される立場として、ここで負けるわけにはいかないという責任感が焦りを呼び、勝負を急ぐ結果になってしまった。

 ただ、これで今場所の優勝争いの決着がついたわけではない。単独トップに立った大の里にもこれから大きなプレッシャーが掛かる。湘南乃海戦は右を差して、一気に前に出る文句のつけようがない相撲だったが、千秋楽の阿炎戦でも同じような相撲を取れるとは限らない。

 11日目の豊昇龍戦は、大関に右から投げを打たれ、派手に土俵上に転がされた。大の里側から見て自分の左手の方から攻め込まれると、意外にもろさを露呈する。阿炎がそこを突いて攻めることができれば、面白い展開になる。
(元大関・栃東)

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