なぜ大阪桐蔭は創部4年で全国制覇できたのか?その理由を書籍化した一冊
2024年08月10日 09:00
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創部から32年で9度の全国制覇(2023年時点)。甲子園の常連校であり、出場すれば必ず優勝候補に挙げられる大阪桐蔭。なぜ、大阪桐蔭は創部4年で全国制覇ができたのか。
大阪桐蔭野球部の立ち上げから野球部部長として関わり、創部4年で全国制覇を成し遂げた影の立役者と言われる著者・森岡正晃氏が、ゼロから最強チームをつくっていくための“リーダー論”“組織論”“人材育成”“環境づくり”の大事なポイントを本にまとめました。
当時のエピソードを交えながら紹介した一冊『日本一チームのつくり方 なぜ、大阪桐蔭は創部4年で全国制覇ができたのか?』が、株式会社あさ出版から発売されています。
ゼロから最強チームをつくっていくための大事なポイントを、当時のエピソードを交えながら紹介しています。
※以下本書より一部抜粋
日本一チームをつくるなら「ゼロから」がいちばんの近道
スーパースターは3人まで
強い組織をつくるには、企業であっても、高校野球のチームであっても、優秀な人材を集めることが第一なのは言うまでもありません。ただし、組織内での役割を無視した集め方をすると、バランスを欠くことにつながります。
自分の能力に絶対的な自信を持っている選手が多く集まると、「おれがやってやるわ!」と自己主張の激しいチームになり、黒子に徹する脇役がなかなか出てこなくなるからです。
理想をお話すれば、1学年に3人ずつSランクの選手を揃えるのがいいでしょう。学年3人ずつであれば、3年生が引退したあとでも強いチームをつくり続けることができます。
チームには主役もいれば脇役もいます。中心となって引っ張っていく人材も必要です。ゼロからチームをつくるときは、どんなメンバー構成にするのか、リーダーが頭の中でしっかり描いておくことが肝心です。
強いチームをつくるリーダーの心得
距離を感じる相手ほど、自分から距離を縮める
部長と選手の関係性の中でも、相性はあります。人懐っこく寄ってくる選手もいれば、私と距離を取っていると見受けられる選手もいました。
そういう選手には、私はあえて距離を詰めて、寄っていくようにしていました。
何か問題が起きたときに、急に「お前どうしたん?」と聞いたところで、そこに至るまでに関係性を築いていなければ、腹を割って話してくれるはずもないでしょう。相手に心を開いてもらいたいなら、「ちょっと苦手な先生だけど、自分のことを気にかけてくれている」という空気感を、日頃からつくっておくことが重要なのです。
「森岡先生はぼくのことをしっかりと見てくれている」と、1ミリでも思ってくれれば十分です。こうした関わり合いの中で、心の安定を保つことができれば、持っている能力を最大限に伸ばしてあげられるはずです。
日本一チームへと進化するために必要なこと
「目立ちたがり屋」の精神を歓迎する
準々決勝の帝京戦では、今も語り継がれるスーパープレーが生まれました。3対2でリードした6回表、帝京のバッターが打った瞬間にレフトスタンドに入りそうな大飛球を放ちました。
しかし、レフトからの強烈な向かい風にボールが押し戻されてくると、レフトの井上がラッキーゾーンによじ登るようにして、この打球を好捕。ホームランを奪い取る超美技で、同点のピンチを防いでくれました。
当然ですが、練習では一度もやったことがないプレーです。飛球を懸命に追っていく中で、体が無意識に反応していたのでしょう。1球に対する執念や集中力があったからこその、ファインプレーだったと思います。
なぜ、あの大舞台であれだけのプレーができたのか。
根底にあるのは、「日本一になりたい」という大目標とともに、「おれが活躍して、お立ち台に上がる!」という目立ちたがり屋の精神だと思います。
チームが日本一になるために戦っているのは間違いないですが、それだけでなく、「自分も活躍して目立ちたい」と思っていたのです。その気持ちがあったからこそ、彼らは頂点をつかめたのだと思います。
書籍情報
タイトル:日本一チームのつくり方
なぜ、大阪桐蔭は創部4 年で全国制覇ができたのか
著者:森岡正晃
ページ数: 248 ページISBN:978 4 86667 656 2
価格 1,650 円 ( 税込)
発行日:2024 年1 月16 日
目次
プロローグ ゼロから掴み取った創部4年での日本一
第1章 日本一チームをつくるなら「ゼロから」が一番の近道
第2章 強いチームをつくるリーダーの心得
第3章 個を伸ばしチーム力を上げる人材育成のルール
第4章 日本一チームへと進化するために必要なこと
エピローグ 今も昔も日本一に大事なことは変わらない
森岡正晃(もりおか・まさあき)
Office AKI晃代表。PL 学園高校出身。高校時代は野球部主将を務め、近畿大学に進学。大学では硬式野球部の学生コーチも務める。また、PL 時代の恩師・鶴岡泰(のちの山本泰)氏の助言で、中学校・高等学校教論一種免許を取得。大学卒業後は、教員となり、鶴岡氏が監督を務める大阪産業大学附属高校野球部でコーチとして高校野球に携る。大阪桐蔭高校では、野球部の初代部長に就任。自らリクルートした選手を一から育て、創部4年目で第63 回選抜高等学校野球大会ベスト8 、第73 回全国高等学校野球選手権大会で全国制覇を果たした。その後は、履正社国際医療スポーツ専門学校野球部のGM兼監督、大阪学院大学野球部総監督などを歴任。現在は、行政や公的機関が主催するスポーツイベントのアドバイザーやベースボールアドバイザーとして小中高の学生に野球の指導を行う傍ら、教員生活35 年以上の経験から保護司(法務省委託)として大阪府旭警察署青少年補導員を務めるなど社会貢献活動も行っている。
<Edit:編集部>
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