西武、福岡大準硬式・大曲錬投手を5位指名 最速154キロの異色右腕

2020年10月26日 18:45

野球

西武、福岡大準硬式・大曲錬投手を5位指名 最速154キロの異色右腕
福岡大準硬式の大曲 Photo By スポニチ
 【プロ野球ドラフト会議 ( 2020年10月26日 )】 プロ野球のドラフト会議は26日に東京都内で開催され、西武が5位で福岡大準硬式の大曲錬投手(22)を指名。交渉権を獲得した。
 異色の右腕が夢をかなえた。大曲は7月まで福岡大の準硬式野球部に所属し最速154キロの直球を武器に活躍。9月上旬に全日本大学準硬式野球連盟にプロ志望届を提出し「(ドラフトに)かかれば(育成でも)行きます」とプロ入りを熱望していた。

 西日本短大付では控え投手や内野手で甲子園出場はなく背番号10だった3年夏は試合出場もなかった。準硬式出身だった当時の高校の監督の勧めと「不完全燃焼だった」気持ちもあり、準硬式で野球を続ける道を選んだ。

 準硬式球は表面がゴム素材で滑りやすく硬式球よりもわずかながら軽いため、球速が出にくいとされる。「高校のままでは通用しない」と横手から中学時代の上手投げに変更。体の使い方なども研究し大学3年時に高校時代から約15キロ増しで大台の150キロに到達。今年3月のリーグ戦では、準硬式では異例の9球団スカウトが視察し開幕戦の九州大戦で自己最速となる154キロをたたき出した。

 現在は部員登録せず「練習生」として福岡大硬式野球部の練習に参加。打撃投手を務めるなどしている。硬式球で本格的に練習を始めたのは8月末だが、9月上旬には常時140キロ台後半をマーク。「重みを感じて投げやすい」と適応している。公式戦には出場できないが「練習に参加できて、感謝しかない。準硬式は(バットが)金属で硬式は木製なので全然違う」と新鮮さも感じる日々。目標は「勝てる投手になること」。夢の実現へ歩みは止めない。

◆大曲 錬(おおまがり・れん)1998年(平10)5月21日生まれ、福岡県柳川市出身の22歳。小3から柳川昭代ドリームズで野球を始める。中学時代は佐賀藤本BBCでプレーし投手兼内野手。西日本短大付では1年秋から内野手でベンチ入りし2年秋から本格的に投手も甲子園出場なし。福岡大の準硬式では1年春からリーグ戦に出場し3年春秋にMVP。1メートル79、78キロ。右投げ右打ち。

◆過去の準硬式ドラフト指名
 過去のドラフトで指名された準硬式出身は同大・青木勇人(99年の西武6位)、関学大・山本歩(05年大学・社会人の西武5位)、群馬大・神田直輝(09年の巨人育成5位)、帝京大の鶴田圭祐(16年の楽天6位)、関学大・坂本工宜(16年の巨人育成4位)らがいる。また、軟式出身では相双リテックの菊沢竜佑(16年ヤクルト6位)、ソフトボールでは早大・大嶋匠(11年日本ハム7位)らがいる。

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