市和歌山・小園 ライバル智弁和歌山を三たび返り討ち「命を懸けて、勝ちにいこうと」

2020年10月26日 05:30

野球

市和歌山・小園 ライバル智弁和歌山を三たび返り討ち「命を懸けて、勝ちにいこうと」
<近畿秋季大会準々決勝 市和歌山・智弁和歌山>9回2死、最終打者を打ち取りガッツポーズを決める市和歌山・小園(撮影・後藤 正志) Photo By スポニチ
 【秋季高校野球近畿大会準々決勝   市和歌山2-0智弁和歌山 ( 2020年10月25日    わかさスタジアム京都 )】 来春の第93回選抜高校野球大会出場に向け重要な選考資料となる秋季大会が各地で行われた。近畿では準々決勝3試合があり、市和歌山(和歌山)、京都国際(京都)、大阪桐蔭(大阪)がそれぞれ準決勝に進み、当確ランプをともした。市和歌山は同県最大のライバル・智弁和歌山に完封勝ち、優勝した70年以来50年ぶりの4強入りとなった。
 最後の打者を一ゴロに仕留めると、市和歌山の最速152キロ右腕・小園健太は両手を高く上げて喜びを表現した。“三度目の正直”を狙った県内最大のライバル・智弁和歌山相手に、公式戦では自身初の4安打完封。“二度あることは三度ある”ことを見せつけ2年ぶり7度目の選抜出場を確実にした。

 「大げさに聞こえるかもしれませんが、命を懸けて、全てを懸けて絶対勝ちにいこうと思っていました」

 奪三振はわずか4も、コースを丁寧に突いた。意識したのはスピードより球の回転。再三のピンチも直球で大胆に内角へ投げ込み、本塁を踏ませなかった。和歌山大会終了後、硬球に比べ約3倍の重量がある砂の入ったゴム製のボールで「遊び感覚で」壁当てをして、指先の感覚を研ぎ澄ました。誰かに勧められたのではなく、いいと思ったものは自分で考えて取り入れる主義。旺盛な探究心が新人戦準決勝、県大会準決勝に続き宿敵を蹴散らした原動力になった。

 智弁和歌山相手の公式戦での9回完封勝利は、17年秋の近畿大会決勝で大阪桐蔭・柿木蓮(現日本ハム)が記録して以来3年ぶり。「今日は智弁より、僕たちの方が気持ちが入っていたと思います」。早くも来秋ドラフトの目玉との呼び声高いエースは誇らしげに、自身の110球に胸を張った。(北野 将市)

 ◆小園 健太(こぞの・けんた)2003年(平15)4月9日生まれ、大阪府貝塚市出身の17歳。貝塚中央小1年のとき「RICA」で野球を始め、貝塚第一中では「貝塚ヤング」に所属し3年夏に全国優勝。市和歌山では1年春からベンチ入りし、今秋から背番号「1」。1メートル84、85キロ。右投げ右打ち。

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