阪神・マルテ “命拾い”した後に「起死回生」弾 三塁打判定も覆りポール直撃の同点13号 

2021年07月01日 05:30

野球

阪神・マルテ “命拾い”した後に「起死回生」弾 三塁打判定も覆りポール直撃の同点13号 
<神・ヤ>8回1死、阪神・マルテは同点の右越え本塁打を放つ(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神2-2ヤクルト ( 2021年6月30日    甲子園 )】 これが本当の「起死回生」弾や!阪神はジェフリー・マルテ内野手(30)が1点を追う8回、チーム6試合ぶりの一発となる13号同点ソロを放ち、ヤクルトと引き分けた。相手守備が右翼線へのファウルフライを捕球できず、“命拾い”した後に飛び出した一撃。しかも一度はフェアボール判定された結果がリプレー検証で覆り、本塁打と認定された。M砲が土壇場でドローに持ち込み、2位・巨人との差を3に広げた。
 土壇場で神風が吹いたのか。それとも虎党の声援が打球に届いたのか。まさに「起死回生」だった。マルテが放った右翼方向への大飛球はポールを直撃…したように見えた。だが一度はフェアボール判定となったため全力疾走のマルテは三塁を陥れていた。直後のリプレー検証で判定が覆り本塁打に“昇格”。球場全体を巻き込んだ「ラパンパラポーズ」で喜びを爆発させた。

 「強く打つことができたし、いいスイングができた結果がホームランになってよかった。勝つことはできなかったけど、毎試合、勝ちに貢献することを意識しているから、これからもチームの勝ちに貢献できる一打を打てるように頑張るよ」

 「命拾い」から生まれた一撃だった。勝ち越しを許した直後の8回1死。右腕・清水と相対した。その初球、高々と打ち上げた打球は一塁後方へのファウルフライ。万事休す…のはずが、一塁手・荒木がファウルゾーンで捕球できず。仕切り直したカウント1―2から生まれたのが、値千金の同点弾だった。繰り返すが、まさに「起死回生」と言えた。

 この日のマルテは、何か不思議な力に包まれているかのようだった。8回の本塁打の打席は、通常、右翼から左翼方向へと吹く「浜風」とは逆の風向きだった。初球のファウルフライも本来ならフェアゾーンに戻ってくるはずが、一塁側アルプス席の方向に逃げるような飛球となった。そして直後に、その風を“追い風”とした右翼ポール直撃弾。いや、“ツキ”は、これだけではなかった。

 4回の守備だ。同点とされなおも1死一、二塁。元山の放った打球は一塁ベースを直撃した後、マルテの側頭部付近に当たって安打となった。不運と言えば不運だが、外野に抜けていれば勝ち越されていた可能性がある。その不運を最小限に食い止めたのはこの日のM砲の「運」だろう。

 「これからも守備でも攻撃でも貢献できるように頑張るよ」

 初回の攻撃では1死二塁で先制の左中間適時二塁打を放つなど、4番・サンズ、5番・佐藤輝が無安打の中で3安打2打点と、孤軍奮闘。この日は、「まるで主砲」の働きだった。(長谷川 凡記)

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