3年前、陰謀論者扱いされたバーランダー、「飛ぶボールを使わない方が、試合はよりよい製品になる」

2022年06月18日 10:19

野球

3年前、陰謀論者扱いされたバーランダー、「飛ぶボールを使わない方が、試合はよりよい製品になる」
アストロズのジャスティン・バーランダー投手(AP) Photo By AP
 アストロズのジャスティン・バーランダー投手(39)がスポーツ専門局ESPN(電子版)のジェフ・パッサン記者の取材に、いくつか興味深い発言をしている。
 今季、12試合に登板し、8勝2敗、防御率1・94の好成績だが、去年9月、右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)から1年が経った頃、まだリハビリが終わっていないのに球団に連絡を取り、「1イニングなら投げられる、試してみないか」と提案していたそうだ。リハビリ中、長い期間、試合を見なかった。それは「馬の鼻先にニンジンをぶら下げるようなもの」だからだ。リハビリを成功させるためにも、野球について忘れようとした。再び見始めたのは去年のプレーオフで、アストロズは勝ち進んだが、ワールドシリーズでブレーブスに敗れた。そのシリーズ後、長い選手生活で初めてフリーエージェントの資格を得た。アストロズはリストのトップにあったものの、他のいくつかのチームが興味を示してきた。特にブルージェイズが積極的で、元チームメイトのジョージ・スプリンガー外野手とは何度も話した。決断した時、熱意には本当に感謝しているとブルージェイズに伝えている。現行の契約は1年2500万ドル(約33・7億円)で、今季投球回数が130イニングに達すれば、23年についても年俸2500万ドルのプレーヤーオプションが付く。既に今季78・2イニングを投げている。来季には40歳になるが、現役を続ける意向だ。

 新しい動きも受け入れていく。23年から導入されるであろう試合時間短縮のピッチクロックについても大丈夫だし、サイン伝達の電子機器ピッチコムについては既に使用している。バーランダーは3年前のオールスターの会見で「飛ぶボールが使われている」と批判。その年のオフ、大リーグ機構は調査を行い、飛ぶボールだったと認めたが、意図的ではなかったとした。「陰謀論者扱いで、当時誰も自分の言うことを信じてくれなかった」と振り返る。バーランダーは今季シーズン序盤に使われていたボールを支持している。理由はより多彩な面白い野球をファンに提供できるからだ。「反対方向にバックスピンをかけて本塁打を打てるのは天賦の才能で、自分が覚えている限り、ミゲル・カブレラとか、アルバート・プホルスとか10人くらいしかいなかった。それがいきなり、一つの打線で9人中8人が反対方向に打てるようになった。ボールが飛ばなくなれば、パワーのない打者は以前のように打席で2ストライクのアプローチを心掛け、きちんとバットに当ててくる。進塁打とか、ゲーム中のアクションが増える。良い製品になる」と主張していた。

おすすめテーマ

2022年06月18日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム