中畑清氏 やっと前向いてきたコロナ禍の日常

2022年08月09日 05:30

野球

中畑清氏 やっと前向いてきたコロナ禍の日常
中畑清氏 Photo By スポニチ
 【キヨシスタイル】ヤクルト―巨人3連戦が行われた週末の神宮球場は連日満員。人数制限がなくなった夏の甲子園もよく入っている。感染力の高い新型コロナウイルス第7波の真っただ中で、だよ。
 経済を止めない。スポーツを止めない。コロナとの闘いはまだまだ続くけど、立ち向かっていく姿勢が大切なんだというメッセージを送ってくれているような気がする。

 前向きに挑戦していくのがスポーツの原点。感染を防ぐ最大の努力をしながら、試合をする。お客さんを入れる。まだ声は出せないかもしれないけど、そのパフォーマンスでファンはストレスを発散。明日の活力につなげているんだよね。

 感染者の数を見れば、以前なら中止、無観客にしたような状況かもしれない。でも、後ろ向きに閉ざしてしまうんじゃなくて、どうすれば試合ができるか。お客さんを入れられるか。前向きに環境を整える。これが大事なんだよね。

 夏の甲子園では参加49校中6校の選手に感染者が出た。でも、出場の機会を奪うことなく、回復の時間を持たせるべく出場試合を遅らせた。ナイスアイデアだ。

 プロ野球でも、巨人の井納のように2軍でくすぶっていた投手が、感染者続出の1軍に呼ばれ、中継ぎで移籍2年目にして初勝利。DeNA時代のいい時の投球が戻ってきている。チームのピンチをチャンスに変えたんだよね。

 実は一緒に住んでいる娘夫婦と小学3年生を頭とする3人の孫が先日クラスターで全員感染した。私は3度検査していずれも陰性。逆に隔離されていたんだけど娘一家は5人でコロナを乗り越えて絆がいっそう深まった気がする。

 私も去年の3月に陽性が出て、入院した経験がある。感染しないに越したことはないけど、恐れて内にこもっているだけでは何も生まれない。

 スポーツ選手にはスタジアムでファンに勇気、元気、感動を与えるパフォーマンスを、歌手にはコンサート会場でお客さんに生の歌声を届けてほしい。

 これが世界の流れ。立ち向かっていく気持ちを忘れず、みんなで今の波を乗り越えていきたいね。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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