平成唯一の三冠王・松中信彦氏 ヤクルト・村上の最大ハードルは「やっぱり打率」ライバルも指摘

2022年08月29日 18:48

野球

平成唯一の三冠王・松中信彦氏 ヤクルト・村上の最大ハードルは「やっぱり打率」ライバルも指摘
松中信彦氏 Photo By スポニチ
 「平成唯一の三冠王」である元ソフトバンクの松中信彦氏(48)が28日放送のTBSラジオ「日本生命presents石橋貴明のGATE7」(日曜前7・00)に出演。史上最年少で三冠王を目指すヤクルト・村上宗隆内野手(22)について語った。
 松中氏が三冠王に輝いたのは30歳シーズンで、23歳の頃は「ちょうどアトランタ五輪です。プロになってないです」と決勝のキューバ戦で放った満塁本塁打を懐かしんだ。

 その上で村上のすごさについて「逆方向にはすごい打球を飛ばしてたけど、ここに来てライトにも打てる」と引っ張る打球も増えてきたとし「弓を引いた状態で構える。これが彼の良いところ。どしっと構えて右手が張った状態で構えるから、無駄な動きがない。普通だったら構えて、そこからトップを作るじゃないですか。そこがないんですよね。だから何を投げてもただポイントにバットを出すだけ。そこが一番すごいところ。無駄な動きがない、ミスショットがないんですよ」と称賛した。

 松中氏は三冠王に輝いた2004年シーズンは打率・358、44本塁打、120打点の成績を収めた。司会の石橋貴明から「一番、苦労する点は?」と尋ねられると「やっぱり打率です」と答えた。

 理由として「ホームランを打てば打点も増えるし、打点は4番ってセットじゃないですか。だから2冠王は多い」とした。そして「僕たちって内野安打がないんですよ。固め打ちもない。固め打ちの時はだいたい四球がくるので3の2(3打数2安打)で終わりとかになる。首位打者を取る人って、長打がない(打者が多い)から、ヒットをカンカンカーンって4の4とか5の5とかできる」と首位打者を獲得する選手の多くは固め打ちが多いとした。

 ただ、松中氏や村上のような主砲タイプに関しては「僕たちは敬遠があるから、そうなると打率がやっぱり。村上くんもホームラン、打点は安全圏ですね。あとは打率。これだけ打つとマークがもっと厳しくなる」と述べた。

 石橋から「逆に言うと、勝負してくれない、申告敬遠で四球もらってると打率は下がらないですよね?」と質問された松中氏は「後ろの打者がポイントですね。後ろの打者が弱かったら、ほぼ四球じゃないですか」と5番打者が鍵になると指摘。「後ろの打者が打てなかったら、ゲームに勝てないじゃないですか。村上くんの場合は一番は優勝したいって思うから、俺が俺がってなった時に少々のボール球でも手を出して打率が落ちてくる。我慢できるかですね」とした。

 そして自身の場合は「僕も後ろに城島がいたじゃないですか。僕を敬遠すると必ず打つんですよ。だから僕に勝負してくれて打てた」と城島健司氏が5番に座っていたからこそ、相手バッテリーが勝負に挑んでくれたとし「後ろが弱かったら、極端に言えばヒットでいいやって配球をされるから甘い球が来ない。負けていくと4番の責任やって無理して打ち出す、そうすると打率が落ちてきちゃう。ちょっとのボール球を振り出すと打撃は崩れちゃう」と悪循環に陥るとし「残り30(試合)ぐらいですけどそこを我慢できるかですね」と語った。

 村上の29日時点での成績は打率・340、49本塁打、120打点はいずれもリーグトップ。松中氏は「この数字であと30試合あったとして、客観的な見方すると毎日、3の1(3打数1安打)でいい。打率・333まで行くじゃないですか。落ちない。それをずっと続ければ追いかける選手が大変ですよ」と残り試合は3打数1安打をキープし続ければ、首位打者も獲得できるのではとした。

 ただ、「一番怖いのは(中日の)大島くん。パパパパーンって5の5、5の5ってやればね」と現在、リーグ2位の打率・323で村上を追う大島は固め打ちが多いからこそ、油断できないとした。

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