二松学舎大付・市原勝人監督がセンバツ目指すナインに伝えた「生き残ってくれ」の真意

2023年02月25日 09:00

野球

二松学舎大付・市原勝人監督がセンバツ目指すナインに伝えた「生き残ってくれ」の真意
二松学舎大付・市原勝人監督 Photo By スポニチ
 開幕まで1カ月を切った第95回記念選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)。連日、出場校への取材を重ねている中で、特に印象に残っている言葉がある。「生き残ってくれ、とだけ伝え続けた」。選抜出場への参考資料となる昨秋の戦いをこう振り返ったのが、二松学舎大付の市原勝人監督。この一言も含め、激戦の東京から4季連続で甲子園出場をつかんだ要因こそ、指揮官の「観察力」にあるのではないかと考えさせられた。
 昨夏の甲子園では2勝し、3回戦まで進んだ二松学舎大付。周りと比べて新チームの始動が遅れ、市原監督は「どういうチームなのか私自身が把握しきれず秋の大会が始まった」と当時を振り返った。夏とは違い、1次予選が始まるのは9月で都大会決勝は11月という2カ月の長期戦。だからこそ、「生き残って戦っている間にチームのイメージができてくると思った。だからこそまずは選手に難しいことは言わず、生き残ってくれとだけ伝えた」と真意を明かす。

 実際に新チーム発足当初のスタメンと比べると都大会決勝では打順だけでなく、ポジションも多く変わっており、「常に選手を観察し、調子の良し悪しをしっかり見極めて毎試合ベストなメンバーで戦うことが大切」と市原監督。プロとは違い、高校野球は負けたら終わりのトーナメントだからこそ「練習から選手の表情やしぐさを見て、その子の体調や調子をしっかり判断できるかが監督として大事」と力を込めた。

 そんな市原監督が、選抜での活躍を期待している選手として名を挙げた一人が、エース右腕の重川(おもかわ)創思(2年)だ。最速は137キロと、150キロ近い剛速球を投げられるわけではないが「高校野球で一番大事なメンタルがしっかりしている。そして制球も良く自ら崩れる心配がない」と評価。「大会に出場する指折りの好投手の中には入っていないかもしれないが、重川なら抑えてくれると思うんだよな」と続けた。ここまで力説されると、活躍を期待せずにはいられない。

 重川をはじめ、甲子園経験者を多く擁する今回のチーム。期待が大きいからこそ、指揮官は「相手がどこでも敵は自分たち。自分たちの力をちゃんと出せるかが、勝ちへの近道だと思う」と本番を見据えている。(記者コラム・村井 樹)

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