WBCの舞台で仲間に支えられながら、もがき苦しむ村上 14年前の光景が頭に浮かんだ

2023年03月15日 08:00

野球

WBCの舞台で仲間に支えられながら、もがき苦しむ村上 14年前の光景が頭に浮かんだ
チェコ戦の6回に三振に倒れ、バットを見つめる村上 Photo By スポニチ
 14年前の光景が頭に浮かんだ。記者は09年の第2回WBCで、世界一になった侍ジャパンを取材した。開幕してから本調子ではなかったイチローは、東京ラウンド3試合で14打数4安打。米国に場所を移してからも調子は上がらず、準決勝までの5試合は24打数4安打と苦しんでいた。
 敗者復活のキューバ戦でのこと。自らの判断でバントを試みたが、失敗に終わった。ベンチに戻ってナインに「ごめん!へこみそうだわ…」と謝罪した。そんな姿を見た城島が「大丈夫ですよ。イチローさんがしっかりするまで、オレたちがつなぎますから」と返したという。仲間に支えられたイチローは、韓国との決勝で延長10回に2大会連続の世界一を決める決勝の中前タイムリーを放った。

 さて、今大会。4番に座る村上が苦しんでいる。昨年は史上最年少の3冠王に輝き、プロ野球界を盛り上げた男は、東京ドームでの1次ラウンド4試合でノーアーチ。ヌートバー、近藤、大谷と1番から3番まで絶好調。目の前で大谷が歩かされることもあった。いつも以上に力が入っているように見える。

 結果が出ていないのは誰の目にも明らか。それでも、進塁打や犠飛、はやる気持ちを我慢して押し出し四球を選んだり、必死にチームの勝利に貢献している。ベンチでは仲間たちから笑顔で声をかけられているシーンをよく見る。16日は一発勝負となる準々決勝のイタリア戦。3大会ぶりの世界一に向け、4番の復調は欠かせない。
(記者コラム・川島 毅洋)

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