サラリー後払い、ぜいたく税対象となるサラリー総額を年35億円削減、大谷は意向を全交渉球団に伝えていた

2023年12月12日 11:45

野球

サラリー後払い、ぜいたく税対象となるサラリー総額を年35億円削減、大谷は意向を全交渉球団に伝えていた
大谷翔平 Photo By スポニチ
 大谷翔平(29)のドジャースとの10年総額7億ドル(約1015億円)はドジャースのぜいたく税の対象となるサラリー総額を下げる目的で6億8000万ドル(約986億円)が後払いになる。
 後払い分は契約が終わった翌年の34年から43年まで、10年間支払われる。そしてその分には利息が付かない。インフレ(物価上昇)があるから、後払い分の価値は著しく下がる。そこでMLB機構と選手組合は、このような無利息ないしは低金利の後払いがある場合は、契約全体の価値が下がるものと考えて計算し直す。大谷の6億8000万ドルは、4億4000万ドル(約638億円)になると弾き出されている。これに今後10年間に払われる2000万ドル(約29億円)を足すと、総額4億6000万ドル(約667億円)。これを契約年数で割った額4600万ドル(約67億円)が、ぜいたく税の対象となるチームのサラリー総額を計算する時に毎年当てはめられる。

 おかげでドジャースはオフになるたびに、約2400万ドル(約35億円)分、枠に余裕をもって戦力補強に臨める。ちなみにこれはルール違反ではない。MLB機構と選手組合が交わした労使協定で後払いに関しては、金額と年数に制限はないと明記されている。

 興味深いのは大谷がこの方法をドジャースだけでなく、交渉した全球団に持ち掛けていたという事実だ。ロサンゼルスタイムズ紙のジャック・ハリス記者は「大谷はこの意向を交渉した全球団に伝えていた。ドジャースだけのことではなかった。次のチームで勝つためにはこれが最良の方法と考えたようだ」と指摘している。

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