×

西武・松井監督の電撃休養発表 ナインたちは今、何を思うのか――

2024年06月02日 08:00

野球

西武・松井監督の電撃休養発表 ナインたちは今、何を思うのか――
西武の松井稼頭央監督 Photo By スポニチ
 突然すぎる発表に西武ナインは言葉を失っていた。5月26日オリックス戦(ベルーナ)で逆転勝利。試合後、歓喜の余韻に浸っていると、松井稼頭央監督(48)の休養が発表された。最高のムードから急転直下。「勝ちに結びつけることができてなくて申し訳ない。もっと一緒にやりたかったけど、結果の世界。残りの試合も頑張ってほしい」。これが最後の言葉だった。
 休養発表日時点でチームは15勝30敗の借金15で最下位。2度目の7連敗もあった。それでも、松井監督は報道陣の前で選手を責めることは一度もなかった。「起用しているこちらの責任なので。選手には思い切ってやってほしい」。思うことは記事や報道で伝えず、選手に直接伝える。若手が多いチームだけに「失敗して覚えることもある。選手を萎縮させたくない」という松井監督なりの考えがあった。

 19年から2軍監督、1軍ヘッドコーチに歴任して監督就任2年目。「今年は何とか若手を育てたい」と1年目に比べて自ら打撃指導をする姿は明らかに多く見られた。悩みを聞き、一緒に答えを探す姿にナインも必死に応えようとした。試合前練習では誰よりもグラウンドに残り、長谷川にフォーム指導をすることも。時には厳しい言葉で尻を叩くこともあった。しかし、結果は残せなかった。選手から慕われていた松井監督。休養が告げられ、涙する選手も多くいた。

 責任感を強くにじませたのが、プロ8年目で初の開幕投手に指名された今井だ。投手陣を引っ張る背中に松井監督は絶大な信頼を寄せていた。右腕は「悔しいですね。カード頭に投げることも多いので、そこで勝てるような投球ができていればチームの勝ち星も増えていた。あまり得意ではないけど、もっとリーダーシップをとって稼頭央さんの分まで全員で戦いたい」。期待に応えられなかった悔しさ、申し訳なさが、多くを語らない男の言葉からあふれ出た。22年ドラフト1位の蛭間は「原因は監督というより選手だと思う。情けない気持ちがある。松井監督の分まで選手は今まで以上に一丸にならないと勝てない」と矛先を自身に向けて唇をかんだ。

 それぞれが葛藤を抱えながらも、戦いは続く。残り93試合。屈辱を味わった西武ナインが意地を見せる。(記者コラム・福井 亮太)

おすすめテーマ

2024年06月02日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム