広島・九里、完封で球団1万試合目飾った!志願の9回熱投130球 チームはリーグ一番乗りで30勝到達

2024年06月14日 05:00

野球

広島・九里、完封で球団1万試合目飾った!志願の9回熱投130球 チームはリーグ一番乗りで30勝到達
<西・広>完封勝利し新井監督(左)と笑顔でハイタッチする九里 (撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 【交流戦   広島5-0西武 ( 2024年6月13日    ベルーナD )】 広島・九里亜蓮投手(32)が13日、球団1万試合目となった西武戦(ベルーナドーム)で今季初完封の快投を演じ、3勝目を挙げた。志願して今季最多の9回130球を投げ抜き、相手打線を散発2安打に封じた。5―0で快勝したチームは3カード連続の勝ち越しで、2位・阪神と並ぶリーグ一番乗りで30勝に到達。貯金を6に増やして首位を堅持し、きょう14日から敵地で楽天との交流戦最終カードに臨む。
 最後の打者・陽川のフェンス際への大飛球を、途中出場の右翼・大盛がジャンプ一番好捕すると、九里は満面に笑みを浮かべてマウンド上で両手を高く突き上げた。志願して9回のマウンドに立ち、今季最多の球数130球を投げ抜いて堂々の今季初完封。表情には達成感がにじんだ。

 「最後は(スタンドに)入らないでくれ…と祈りながら打球の行方を見ていた。大盛が好捕してくれて本当にありがたい。9回は監督に“行かせてください”と伝えたので、死ぬ気で抑えるつもりで投げました」

 14年6月12日に先発で3回2失点降板して以来、10年ぶりとなる西武本拠地での先発。「多分中継ぎで1イニングしか投げていなくて」は記憶違いながら、覚えていないからこそ「試合前の(投球練習)5球を大事にして入っていきたい」と準備し、快投につなげた。

 多彩な変化球がさえ渡った。味方の失策と四球で招いた初回1死一、二塁で中村剛を低めチェンジアップで空振り三振、陽川をカットボールで中飛に仕留めると、2回2死二塁でも滝沢を内角低めスライダーで右飛に斬った。散発2安打。3回以降は二塁すら踏ませない無双投球だった。

 「凄いと思うし、刺激にもなる。切磋琢磨(せっさたくま)してやっていけたら」

 7日のロッテ戦で大瀬良が史上90人目のノーヒットノーランを達成。13年のドラフト同期で入団以来競い合ってきた仲だけに、この日の完封劇は快挙に後押しされたもの…と言えそうだ。これで10球団目の勝利。自軍以外では、あとはロッテ戦勝利を残すのみとなったが、「意識は全然ないです」と笑った。

 「彼の性格だから、“行かせてください”と言うのは分かっていたけど、一応聞いた。“1点でも取られたら代えるからな”と言って送り出した。素晴らしい。言うことない」と新井監督。球団1万試合目の節目を完封で飾った九里への賛辞を惜しまなかった。

 「しっかり準備にして迎えたい。もっともっと勝てるように頑張っていきたい」

 チームは3カード連続で勝ち越し、首位を堅守して30勝に到達。リーグ戦再開後を見すえ、状態を上げてきた開幕投手の言葉が頼もしく聞こえた。(江尾 卓也)

 ≪球団34年ぶり≫九里(広)が昨季8月22日のDeNA戦以来、通算6度目の完封勝利。前日12日の西武2回戦は隅田に完封を許していた。完封敗戦の次の試合で同じ対戦相手から完封勝利は、1990年8月29日の中日戦で●0―6(敗戦投手・佐々岡真司)→30日同戦で○6―0(勝利投手・高木宣宏)と記録して以来、球団34年ぶり。

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