1点をどうやって取るか、守るか…阪神の選手は野球の原点を胸に戦ってほしい

2024年08月28日 08:00

野球

1点をどうやって取るか、守るか…阪神の選手は野球の原点を胸に戦ってほしい
<D・神>初回、牧の三遊間への打球で蝦名(左)の進塁を許した佐藤輝(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4―10DeNA ( 2024年8月27日    横浜 )】 【畑野理之の談々畑】高校野球の夏の甲子園決勝戦を報じた24日付の本紙紙面に、侍ジャパン前監督の栗山英樹氏(63=現日本ハム・チーフ・ベースボール・オフィサー)が球児たちへの思いを詩につづり、感動を伝えた。野球本来の原点が見えたとし、象徴的な大会と位置づけている。以下に抜粋する。
 「新基準バットが導入されて、1点をどうやって取るか、1点をどうやって守るか。それは野球の原点だ。準決勝と決勝の3試合は全て1点差ゲーム。特に決勝の両校の得点は押し出し四球と犠飛、内野ゴロの間だった。タイムリーヒットはない。京都国際と関東第一の素晴らしい守りがそこにあったからだろう。多くの人たちの胸に刺さる戦いを見せてくれた球児たちに拍手を送りたい」

 評論家時代からプロ・アマ問わず大学も、社会人も、国際大会も多くの試合を取材し、本当に野球を愛している栗山氏らしい投稿だった。そして、今年のプロ野球にも言えることだと思って読んだ。

 しかし、その意味ではこの試合は残念な内容だった。失策はゼロだが、阪神には記録には表れないミスが致命傷になった。1―0の1回裏、2死一、二塁から牧秀悟の三遊間のゴロに遊撃手・木浪聖也は追いついた。一塁は間に合わないと判断して三塁へ送球。タイミングはアウトだったが、三塁手の佐藤輝明がベースに付いていなかったためセーフとなった。その後、逆転された。

 10日前の8月17日の中日戦を思い出した。5―3の9回2死満塁で福永裕基の三遊間のゴロを木浪が好捕。内野安打で1点は仕方ない。しかし二塁走者の尾田剛樹が三塁ベースをオーバーランしたところをアウトにしようと三塁に送球したが、佐藤輝がタッチしようとした尾田は勢いそのままに同点のホームを駆け抜けていた。5―5のまま12回、引き分け。岡田彰布監督が「サードの指示やんか。見えてなかったのと、見てなかったのは違う。野球勘やけどな、それはもう」と佐藤輝を断罪した言葉も印象的だった。

 また、三遊間の2人の間で起こった同じようなミス。そして勝ち越された3回と、ダメを押された7回には2度、投手の暴投から走者に2つの進塁を許している。4―10と大差が付いた上に、両軍合わせて11四球が失点に絡んだことも試合を大味にした要因だ。これではスタンドの虎党に、胸に刺さる感動の試合は見せられない。

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