巨人育成1位 富士大・坂本達也捕手 貪欲な姿勢で成り上がる

2024年11月05日 06:00

野球

巨人育成1位 富士大・坂本達也捕手 貪欲な姿勢で成り上がる
巨人育成1位指名を受け胴上げされる富士大・坂本(撮影・大城 有生希) Photo By スポニチ
 【目指せ!イチロー&由伸 24年ドラフト下位指名】巨人から育成ドラフト1位指名を受けた富士大・坂本達也捕手(22)は、二塁送球1・8秒台の強肩と投手の良さを引き出すリードが魅力だ。同一年に史上最多タ イの6人が指名された富士大の扇の要。同じく育成から侍ジャパンまで上り詰めた ソフトバンク・甲斐拓也捕手(32)のように、球界を代表する捕手まで成り上がる。
 部員の野太い歓声がこだました会場で、坂本は安堵(あんど)の表情を浮かべた。10月24日のドラフト会議。富士大からは7人がプロ志望届を提出。5番目に名前が呼ばれ「他の選手が呼ばれていく中で残っていた。呼ばれた時は相当ホッとしました」と胸をなで下ろした。

 1メートル73と小柄だが「盗塁阻止率は意識している。タイムよりは送球の精度を意識しています」と二塁送球1・8秒台の強肩捕手。投手の良さを引き出すリードも持ち味だ。「自分はどちらかというと守備型。投手からの信頼をより早く得て、チームを勝たせられる捕手になりたいです」と冷静に自己分析し理想像を語った。

 高校で野球はやめるつもりだった。コロナ禍で独自大会だった博多工3年夏を終えると「就活の準備をしていた」と一度ユニホームを脱いだ。しかし富士大・安田慎太郎監督から「最初見たときにぜひ欲しいと。最初は僕の話を一切聞かなかった。半ば無理やり“プロに行けるから”と来てもらった」と勧誘された。熱い説得で入学を決めると、2年春から正捕手として活躍。2学年上の金村(日本ハム)とバッテリーを組み、投手心理を学ぶなど成長。坂本は「安田さんに声をかけていただけていなかったら、今頃野球をやっていなかった」と感謝する。

 巨人には最高の見本がいる。伝統球団で正捕手として活躍した阿部監督だ。「いい意味で少し怖そう」と背筋を正しつつ「配球から全て聞きにいきたい」と貪欲。憧れは、同じく育成から日本代表にまで成り上がったソフトバンク・甲斐。「育成からはい上がった。投手からの信頼も凄く厚い。尊敬しています」と動画も見て参考にする。「早く支配下登録されて、1軍に同行できるようにしたいです」。サクセスストーリーの第一歩を踏み出した。

 ◇坂本 達也(さかもと・たつや)2002年(平14)8月31日生まれ、福岡県出身の22歳。博多工では甲子園出場なし。富士大では正捕手となった2年春にベストナインを獲得。1メートル73、76キロ。右投げ右打ち。

 《史上最多タイ6人指名の秘密》富士大からは坂本の他、走攻守そろった大型外野手の麦谷祐介がオリックス1位、最速148キロの即戦力左腕・佐藤柳之介が広島2位など支配下4人、育成2人の計6人が指名を受けた。同一チームから同一年に6人のドラフト指名は、昨年の四国・徳島(支配下3人、育成3人)に並ぶ史上最多タイだ。

 ソフトバンク3位の投手・安徳駿、広島4位の内野手・渡辺悠斗、ロッテ育成3位の投手・長島幸佑と、ドラフト指名6選手を育てたのは就任4年目の安田慎太郎監督。「みんなで切磋琢磨(せっさたくま)して伸びた」と目を細める。岩手県花巻市に位置する富士大は冬は雪が積もるため、グラウンドで練習ができない。しかし安田監督は「逆に有利。うちはフィジカルづくりがメイン。外でやれない分、選手もトレーニングに集中できる」とプラスに捉えて、タレント王国をつくった。

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