阪神・前川 全力で振らない“サボり打法”で130メートル場外弾 「思い切り振るより飛んでいた」

2024年11月05日 05:15

野球

阪神・前川 全力で振らない“サボり打法”で130メートル場外弾 「思い切り振るより飛んでいた」
ランチ特打で快音を響かせる阪神・前川(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 阪神・前川右京外野手(21)が4日、高知・安芸秋季キャンプで初のランチ特打に臨み、46スイングで推定飛距離130メートルの場外弾を含む15本の柵越えを放った。新任の小谷野打撃チーフコーチから「リラックス」を指示され、全力で振らない“サボり打法”で鋭い打球を連発した。
 安芸の青空を次々と白球が舞った。今キャンプ初のランチ特打に臨んだ前川が、鮮やかなアーチを連発。3連休最終日、全国各地から詰めかけた虎党を、来季高卒4年目を迎える大砲が沸かせた。46スイングで15本の柵越え。場外へと消える130メートル弾もあった。

 「下半身もしっかり使えているし、ランチ特打は良かった」

 自賛の快音の裏には、ある人物の“金言”があった。ケージに入る直前、新任の小谷野打撃チーフコーチから「フルで振らずに、リラックスして振ってみな」と指示され、インパクトの瞬間だけ力を入れる「脱力打法」を念頭に置いた。「変に言ったら“サボってる”みたいな」(前川)緩いスイングから放たれた打球は、想定外の飛距離を生み「思い切り振るより飛んでいた」と驚きの表情。アピール意識が前面に出た“マン振り”を捨てた結果、副産物も得た。

 「そっちの方が打球が飛んでいたし、質も良かった。新しいことに気づけたのかな」

 ただ、シーズンに入れば我を通せる打席ばかりではない。勝利最優先ゆえ「逆方向や、ツイスト(打つ瞬間に腰を逆方向にひねり、体を開かないスイング)で打つ打撃スタイルになる」と語る一方で、「今はこれでいい。ちょっと(体に)染み込んだかなと思うが、明日が大事」。技術も意識も日進月歩。「脱力打法」を習得した先に、本物のアーチ量産を見据える。

 「振り上げるスイングじゃなくて普通に振って自然と(打球に)角度も付いた。(脱力習得で)“エイチ・アール”も増えるんじゃないですか(笑い)」

 今季は4本にとどまった「HR(ホームラン)」。2倍、3倍と増やす下地は、着実に整いつつある。 (八木 勇磨)

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