京口2階級制覇!無傷12連勝 強烈左アッパーで王者の心へし折った

2019年01月01日 05:30

格闘技

京口2階級制覇!無傷12連勝 強烈左アッパーで王者の心へし折った
ブドラー(左)を攻める京口 Photo By 共同
 【WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦   ○同級1位・京口紘人 TKO10回終了 スーパー王者ヘッキー・ブドラー● ( 2018年12月31日    マカオ・ウィンパレス )】 試合続行を諦めたブドラーが青コーナーに駆け寄り、京口と抱き合った。挑戦者が強烈な左ボディーを叩き込んだ10回終了後。「倒し切りたかったけど、スーパー王者の心を折ってストップできたのは自信になる」。再三のバッティングで黒ずんだ目元を気にしながら、2階級制覇の実感を口にした。
 打ち終わりに細かく手数を返してくるベテラン相手にペースをつかめなかった。突破口となったのは左アッパー。京口のボディーを警戒して両手が下がり気味となったガードの隙間を狙った。6回、左アッパーのダブルでブドラーの体を起こしてからは左ボディーや右ストレートで圧倒。それでも「まだ相手のパンチが生きている」とKOを焦らず、「迫力には欠けたけど、弱らせる作戦を遂行できた」と振り返った。

 体重はリミット47・6キロのミニマム級からわずか1・3キロ増えただけ。だが、その差が京口にもたらした影響は計り知れなかった。体重増を気にせずフィジカルトレが可能となり、減量目的になっていた練習でも追い込めるようになった。重いドラムミットを押し込むほどパワフルになったパンチを受け続けた井上孝志トレーナーは「プレスをかけたり、足を使ったり、いろいろな練習ができた。これまでは減量がキツくて追い込むこともできなかった」と話した。

 井上トレーナーは愛弟子の2階級制覇を願い、現役時代ですら飲んでいた酒を11月下旬からやめた。これまでは1週間が限界だったという禁酒を続け、自身を導いてくれた“師匠”に、京口も「顔を立てられて良かった。僕も男になったけど、井上さんも男になってもらえた」と感謝した。来年以降、期待されるのはWBC王者・拳四朗らとの統一戦。「向こうは5回も防衛しているけど、僕は今日でやっと肩を並べた新米チャンピオン」と苦笑いしながらも、「いずれは」と目を光らせた。

 ▽京口―ブドラーVTR 京口は左のボディーやアッパーなど角度をつけた打撃が光った。序盤は相手の手数に押される場面もあったが、左ジャブを丹念に突きつつ、機を見た強打を打ち込んだ。中盤からは再三の強烈な左ボディーでダメージを与えることに成功し、ブドラー陣営が試合続行を断念した。ブドラーはフットワークが鈍り、終盤は防戦一方となった。

 ▼ヘッキー・ブドラー 京口はフィジカルが強かった。パンチをもらい息が上がってしまった。たくさんもらってしまったため、チームで決めて試合を止めた。

 【京口 紘人(きょうぐち・ひろと)】

 ☆生まれ 1993年(平5)11月27日。大阪府和泉市出身の25歳。

 ☆ボクシング 父が主宰する道場で空手を3歳から始める。元プロボクサーの兄・竜人の影響で小6時に転向。大阪帝拳ジムで元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎の指導も受け、左ボディーは「辰吉直伝」。

 ☆アマ歴 伯太高―大商大。大学3年時に国体ライトフライ級優勝。関大の拳四朗(現WBC世界ライトフライ級王者)とは1勝3敗。アマ66戦52勝(8KO)14敗。

 ☆プロ歴 ワタナベジムから16年4月プロデビュー。17年2月、東洋太平洋ミニマム級王者。同年7月、プロ8戦目でアルグメド(メキシコ)に判定勝ちし、IBF世界同級王座獲得(防衛2)。デビューから1年3カ月での世界王座獲得は国内最速記録。

 ☆体重チェックマニア ミニマム級時代は一日7、8回。現在も毎食後必ず体重計に乗るなど一日5、6回。正確を期すため自宅では“パンイチ”で乗る。

 ☆サイズ 身長1メートル62、リーチ1メートル55。右ボクサーファイター。

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