やはり破天荒だったメイウェザー、天心戦当日の昼に「富士山を見にいきたい」

2019年01月01日 15:00

格闘技

やはり破天荒だったメイウェザー、天心戦当日の昼に「富士山を見にいきたい」
<フロイド・メイウェザー×那須川天心>メイウェザーが那須川から1度目のダウンを簒う(撮影・吉田 剛) Photo By スポニチ
 ボクシングの元世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザーは、日本の格闘技イベント「RIZIN」で強烈なインパクトを残した。過去にもボクシングのスーパースターは何度か来日しており、ムハマド・アリは1976年にプロレスラーのアントニオ猪木との格闘技世界一決定戦に臨み、マイク・タイソンは88年にボクシングのタイトルマッチでトニー・タッブスに2回KO勝ちを収めている。どちらも日本の格闘技の歴史とファンの記憶に残る一戦だが、今回はより一層、世界のトップの「凄さ」を思い知らされた。
 イベント終了後、RIZINの榊原信行実行委員長が、メイウェザーの破天荒ぶりについて明かしてくれた。まずは試合当日の行動。昼には銀座で買い物を楽しみ、その後は高級焼き肉店に向かった。さらに「今から富士山を見にいきたい」と言いだしたという。榊原実行委員長は「それはやめてくれ」と説得して、なんとか試合会場まで連れてきた。そして、エキシビションとはいえ直前にウオーミングアップすることなくリングに上がる。凡人には到底、理解できないが、プロ50戦全勝の強者は自分の年齢の半分以下の那須川天心に強烈なパンチを浴びせ、1Rで3度もダウンを奪った。

 今回の一戦はメイウェザーの体重に合わせたため、前日計量の段階で4・6キロ差となった。計量後の体重の戻りを考えれば、8キロほどの差になっていただろう。ボクシングでいえば、3階級ほどの違いになる。試合を見れば、その差は歴然。グローブで2オンスのハンデをつけたものの、那須川は圧倒的パワーの違いに吹っ飛ばされた。

 試合の公平性、選手の安全面を考えた場合、この“競技”は無謀、危険であるという声もあった。それについて、榊原実行委員長はこの一戦の位置付けについて説明した。「競技はやる気はない。競技化していくことでつまらないものになる。(競技を見たい人は)ボクシングを見てください」と。メイウェザーをリングに上げられる可能性が出た時、榊原実行委員長が相手に見合う選手として考えたのは「天心しかいなかった」という。あえてリスクを背負うことで、歴史的な一戦は生まれた。非難があるのは承知の上で、榊原実行委員長は「やってよかった」と魅力ある試合の提供を第一に考えるプロモーターとしての本音を口にした。

 日本人で初めて、メイウェザーと拳を交えた那須川も同様の考えだった。試合後は自身のツイッターで「無謀だと言われた挑戦でした。結果は倒されてしまいましたが後悔はしてません」とつぶやいた。そして「僕はこれからも挑戦し続けます」と付け加えた。プロになってから一度も倒されたことのなかった那須川にとって、メイウェザー戦で得たものは何物にも代えがたいはずだ。20歳の那須川がさらに飛躍していくことで、この一戦の持つ意味はさらに大きくなる。(スポーツ部・佐藤 博之)

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