やはり破天荒だったメイウェザー、天心戦当日の昼に「富士山を見にいきたい」
2019年01月01日 15:00
格闘技
今回の一戦はメイウェザーの体重に合わせたため、前日計量の段階で4・6キロ差となった。計量後の体重の戻りを考えれば、8キロほどの差になっていただろう。ボクシングでいえば、3階級ほどの違いになる。試合を見れば、その差は歴然。グローブで2オンスのハンデをつけたものの、那須川は圧倒的パワーの違いに吹っ飛ばされた。
試合の公平性、選手の安全面を考えた場合、この“競技”は無謀、危険であるという声もあった。それについて、榊原実行委員長はこの一戦の位置付けについて説明した。「競技はやる気はない。競技化していくことでつまらないものになる。(競技を見たい人は)ボクシングを見てください」と。メイウェザーをリングに上げられる可能性が出た時、榊原実行委員長が相手に見合う選手として考えたのは「天心しかいなかった」という。あえてリスクを背負うことで、歴史的な一戦は生まれた。非難があるのは承知の上で、榊原実行委員長は「やってよかった」と魅力ある試合の提供を第一に考えるプロモーターとしての本音を口にした。
日本人で初めて、メイウェザーと拳を交えた那須川も同様の考えだった。試合後は自身のツイッターで「無謀だと言われた挑戦でした。結果は倒されてしまいましたが後悔はしてません」とつぶやいた。そして「僕はこれからも挑戦し続けます」と付け加えた。プロになってから一度も倒されたことのなかった那須川にとって、メイウェザー戦で得たものは何物にも代えがたいはずだ。20歳の那須川がさらに飛躍していくことで、この一戦の持つ意味はさらに大きくなる。(スポーツ部・佐藤 博之)