西田凌佑が不利の下馬評覆し世界王者!近大ボクシング部同期の沙捺夫人からは「メッチャ格好よかった」
2024年05月05日 06:00
格闘技
「夢みたいです。まだ実感がない」
リングインタビューの最後。近大ボクシング部の同期で、全日本女子を3連覇した(旧姓・河野)沙捺夫人へ言葉をかけた。子育てに忙しい中、世界戦へ向けバラエティー豊富な減量食をはじめ、技術や心構えについて助言も受けた。「妻にありがとうと言いたい。沙捺、獲ったで」。世界一の夫と記念写真に納まった夫人は「ボディー攻めは作戦通り。右目が腫れていたし、右ストレートを結構もらっていたから大丈夫かなあと。でもメッチャ格好よかった」と経験者らしく試合を分析しながら喜んだ。
不利という下馬評を覆して最大7点差の判定勝利。序盤から右ジャブが切れ、4回に左ボディーアッパーをみぞおちに決めてダウンを奪った。「感触はなかったし、まさか倒れるとは。でも“試合を終わらせられる”と喜び過ぎました」。5回以降に振りが大きくなり、逆に王者の圧力に押された。それも7回から修正。近距離で相手得意のカウンターを封じつつ、左ボディーを軸に攻め主導権を手放さなかった。
コンビを組む武市晃輔トレーナーは西田について「はっきり言うて並、いや中の上です」と手厳しいが、ハートを高く評価する。「感情の起伏がないというか、強心臓。相手が強くても自分のボクシングができる」。元世界王者の比嘉大吾(志成)をプロ4戦目で破るなど“下克上男”は大舞台でも番狂わせを起こした。
日本人がバンタム級4団体のうち3団体の王者となり、今後は統一戦が期待される。「まだ先のことは考えてないです」。この日は余韻に浸りたい。 (原口 公博)
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