新王者・西田凌佑が一夜明け会見 「王座返上も選択肢」と枝川会長
2024年05月05日 14:11
格闘技
「本当に嬉しいなって気持ち。そして感謝の気持ちでいっぱいです。(トレーナーの)武市さんと練習してきたことがそのまま通用した」と西田。武市晃輔トレーナー(42)は「シンプルな言い方をすると勇気と根性。作戦は緻密に考えて2人でいろいろ話し合っていましたが、最終的には根負けするかしないかでした」と話した。
枝川孝会長(60)はジム最初の王者だった名城信男と比較して「共に強い王者に勝ってくれたってことは凄く嬉しい。名城の時は1ラウンドで上を向くくらいのフックを浴びたのに笑って帰ってきた。西田は今回、気持ちの強さを受け継いで出してくれたんじゃないかな」と振り返る。
「先月6日でちょうど60歳の還暦になった。(IBFの)赤いベルトを還暦祝いにもらえたので」と笑顔で話した。
防衛戦について話が及ぶと、枝川会長の表情が厳しくなった。「返上もあるかもわからん。昨日の今日やからわからんけど、ウエートの問題。今回もカツカツの状態でリミットまで持っていった」と減量苦が大きな負担になっていることを指摘した。「心臓が痛いって言ってるくらいの状態。もう骨と皮になっている。普通の人なら眠れないもんやけど、西田は変態かもしれんね。よく寝ます。朝6時になったらビシッと起きましたって言うんです」と西田の精神的な強さを明かした。
枝川会長には落としきった体のリカバリーの不安もあったが「元気な体で戦えるのか、ほんまに怖かったんです。計量終わって水をゆっくりストローで飲んで、嫁さん(沙捺夫人)のおじや食べたら顔色も変わってきた。次にお弁当も食べ出したから…ちょっと特異体質かもしれんね。そういう人が世界チャンピオンになるんやろうな」と西田を頼もしげに見つめた。
「基本的には(バンタムで)やってほしいけど、体が持たないというならどうしようもない」と枝川会長。6日にはWBOとWBAのバンタム級世界戦が行われるが「他人の試合なんてどうでもいいわ。別に西田も4つベルト巻きたいとか、そういう思いもないし。それならモンスター(井上尚弥)がフェザーに上げるやろうから。もうちょっと体作ってスーパーバンタム狙いにいった方がええか?今上げたかてモンスターがおったら無理や。あの人の後を拾いにいくなら」と今後には含みを持たせた。西田も「限界は正直感じていました。結果的にうまくいったんですけど、もう落とすのはちょっと難しいかなとは感じました」と素直に話した。
統一戦は東京開催になることで消極的な枝川会長だが、WBA王者に石田匠(32=井岡)が勝った場合は事情が異なる。「勝手なこと言うで。石田君が勝ったら大阪で2人でダブルタイトル戦やって、その後に統一戦は面白いかな。大阪を盛り上げるために」と腹案をブチ上げた。石田は西田とスパーリングを行い「石田さんは凄く強かった。ロドリゲス対策になりました」と新王者もこの話には反応した。
ただ、西田自身は「ロドリゲスに勝つことだけを考えていたので、今はボクシングのことを考えたくない。嫁さんと新婚旅行にも行ってないので、韓国か九州か行きたいです。あと、体に悪い物食べたいです。脂っこいものとか」と笑った。心身共にリフレッシュを果たした後、王者・西田の新ラウンドが始まる。
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