LiLiCo「思い出すだけで涙が出る」 震災自粛ムードの中…出演番組に届いた被災地からのファクス
2024年11月02日 22:28
芸能
ところが、11年3月11日、東日本大震災が発生した。報道は震災一色になり、テレビのバラエティー番組は軒並み自粛ムード。多くの命が失われ、日本中が悲しみに暮れた。
そんな中、LiLiCoに飛び込んできた出演オファーがあった。それは、NHKの生トーク番組「スタジオパークからこんにちは」だった。ところが、LiLiCoは慌てたという。「震災のたぶん2カ月後くらいに、決まりましたって。こんなみんなバラエティーもやっていない時に、どうしようと思って。こんな外国人が出て、変なことをしゃべったら、何だこいつ?と言われて終わっちゃうわと思って」と、理由を説明した。
スウェーデン国籍のLiLiCoは、「毎日、この当時、スウェーデン大使館から、“スウェーデンに帰って下さい”とか(要請されて)、臨時便とかも出ていた」と回想。「うちのお父さんも初めて“帰ってきて”って言ったのね」とも打ち明けた。
しかしLiLiCoは帰国を選ばず、出演を決意したという。「私はどん底に落ちてしまったけど、たくさんの日本人が、みんなおもしろいから、元気をもらっていたから、今度は私は元気をあげようと思って」と告白。「アプリコット色の、ピンクに近いミニのワンピースで、ピンヒールで、パンケーキを作ったんですよ」。あえて派手な格好で、スウェーデンでよく作られるパンケーキを作ったり、プライベートトークもしたという。
反響は大きかった。「ある程度のファクスとかメールとかいつも届くらしいんだけど、“いつもより多くて”とスタッフに言われて。プラス、ほとんど全部が被災地からだったの。ほとんど充電もできないような状況の中で、みんなが“元気をもらった”とか、“久しぶりに笑った”とか」。悲しみに沈む被災者たちからの数々の言葉に驚いたという。
その中には、忘れられないメッセージがあるという。「筆で書いたファクスが来て、94歳のばあちゃまから。“この子は日本人が忘れてしまったものを全部持っている”って。それに大号泣して。思い出すだけで涙が出るんだけど…」。この経験を機に、自粛ムードに歩調を合わせるよりも、人々を元気にする道を選ぶ決意をしたという。「だから、このまま行こうと思って、何を言われても。(ネットの)書き込みとかの時代でもなかった」と話し、「そこから、バラエティーがガンガン入ってきて」と明かしていた。